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「リゾット」
アジトの前で呼び止められ、俺はAを振り返った
少し何か言いたげに視線をさ迷わせた後、彼女は青い瞳を俺に向けた
「……ありがとう」
「いや……エルルーシャには俺も世話になったからな」
「そう、か」
僅かに嬉しそうな表情をしたA
その姿はどこからどう見てもただの一般人で。
殺しなんて、縁の無い人生を歩んでいるように見えた。
同時に、叶うならそんな人生を歩んでほしいとも思った
「──やめたいなら今だ」
こぼれ落ちた言葉に、Aはキョトンと首をかしげた
「やめる?」
「……殺しをやめて普通に生きていくなら今がチャンスだ。お前は正式なパッショーネの人間ではない。
誰もお前を知らない、この時代で、エルルーシャの側に居る道を選べるだろう」
じっと話を聞いていたAが微笑みを浮かべた
「……それを考えたことはなかったな」
「そうか。考えておいてくれ」
アジトの扉を開く。
後ろをついてきた靴音に、ほんの少し安心した自分に、訳がわからなくなった
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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2018年7月1日 15時