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僕は…。
無一郎「僕は…
幸せになる為に生まれてきたんだ。」
生きて、
記憶を失って、
大切な人を失って、
初めて恋をして…。
分かったんだ。
無一郎「兄さんもそうでしょ？
違うの？幸せじゃなかった？
幸せな瞬間が一度もなかった？
僕は幸せだったよ。
家族四人で暮らしているときも、
一人ぼっちになってから、辛いことや苦しいことがたくさんあったけど、
仲間ができて、僕は楽しかった。
また笑顔になれた。
幸せだと思う瞬間が、数え切れないほどあったよ。」
沢山の人に支えられて、
幸せに暮らせたよ。
平助『自分を本当に思ってくれている人がそばにいてくれるってのは、
本当に幸せなことなんだ。』
分かったよ平助。
僕は、沢山の人に思われていたよ。
思われていなかったら、
誰も僕を助けようとしてはくれなかった。
誰も、信じてくれてなかった。
そんな人たちのおかげで、僕は今、
幸せだったと思えるんだ。
無一郎「それでも…駄目なの？
僕は何からも逃げなかったし、目を逸らさなかったんだ。
仲間のために命をかけたこと、
後悔なんてしてない。」
少なくとも僕は、
これで良かったと思ってるよ。
無一郎「…無駄死なんて言わないで。
他の誰かになら、なんて言われてもいい。
でも、兄さんだけはそんなふうに言わないでよ。」
すると兄さんは、僕の肩を掴んだ。
有一郎「ごめん。」
兄さん？
有一郎「分かってるよ…。だけど俺は…。
無一郎に死なないで欲しかったんだ。
無一郎だけは…。」
僕と兄さんは抱き合った。
温かい。
懐かしいな。
この感じは…。
「ハッハッハ！感動の再会というやつか！」
「ちょ！煉獄さん黙れって！」
「あらあら、さっきまで煉獄くんもああだったのよ♪」
有一郎「ったく。折角弟と再会したのに。」
涙を拭ってつぶやく兄さん。
声のした方には、見覚えのある姿があった。
無一郎「…煉獄さん…。平助…。」
平助 「よっ。」
煉獄 「お勤めご苦労さまだ！」
二人にまた会えるなんて…。
そうだ。
僕は平助に…言わなければならないことが。
無一郎「…平助、あの…。」
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