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さっきまであれだけ一本の刀に手こずったのに。
この…化け物…。
まずい…死ぬ…。
なんの役にもたってない…。
守る…
みんなを…守…る…。
駄目だ!
悲鳴嶼さんも不死川さんも、死ぬまで戦う。
だけどこの二人まで死なせちゃいけない!
まだ無惨が残ってるんだ。
みんなのためにも、
この二人を守らなければ!
上弦の壱が刀を構える。
また技が…来る…。
俺が…なんとかしなくちゃ。
俺が…死ぬ前に!
そしたら、俺の刀が赤くなった。
コイツ…に…効いてるのかな…。
不死川さんは、悲鳴嶼さんの鉄球に刀をぶつける。
鉄同士がぶつかり合って赤く…!?
そのまま二人は、
やつの首を斬り落とした。
それから…何がどうなったのか分からないけど、
いつの間にか、俺の目の前には悲鳴嶼さんの顔があった。
悲鳴嶼「…時透…。
お前たちのお陰だ…。」
…役に立てたかな。
悲鳴嶼「お前たちのお陰で勝てた…。
心から感謝と尊敬を…。
若い身空で…本当に…
最後まで立派な…。」
…A…。
僕は…。
役に立てていた?
『…お疲れ様。』
Aの声が聞こえた。
僕は目を閉じた。
目を開けると…
目の前には
時透 「…兄さん…。」
兄さんが立っていた。
銀杏の木の下で、
僕は兄と再会した。
有一郎「こっちに来るな!
戻れ!!」
涙を流しながら、
兄さんは俺に怒鳴る。
…どうして?
僕は…兄さんに会えて嬉しいのに。
無一郎「…どうして?
僕は頑張ったのに…。
褒めてくれないの?」
有一郎「どうして?こっちが聞きたい。
逃げればよかったんだ。
お前はまだ十四だぞ。」
そんなこと…できないよ。
無一郎「仲間を見捨てて、逃げられないよ。」
有一郎「お前が死ぬことなんてなかった。」
違うよ。
僕が死なないと、
倒せなかった。
有一郎「こんなところで死んでどうするんだ?
無駄死にだ。
こんなんじゃ、何の為にお前が生まれたのかわからないじゃないか。」
無一郎「兄さんが死んだのは十一だろ?
僕より兄さんのほうがずっと可哀想だよ。
僕がなんのために生まれたかなんて、
そんなの自分でちゃんとわかってるよ。」
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