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嘘…。
A「…煉獄さん!!」
私は彼に飛びついた。
A「煉獄さん!煉獄さん、煉獄さん!!」
煉獄 「はっはっは!どうした!」
煉獄さんが、目の前にいる。
本物だ。
やっと会えた。
会いたかった。
A「…会いたかった…。」
煉獄 「…ああ、俺もだ。」
せっかく拭った涙も、
この人のせいで無駄になった。
煉獄 「何も言わずにいなくなってしまって済まないな。」
A「…本当ですよ。」
平助 「感動の再会中申し訳ないんだけど、
あと一人紹介したい人いるからちょっといいか?」
A「あ、うん。」
私は煉獄さんから離れた。
感動が抑えられない。
もう少し生きていたかったけど、
ここに来てよかったとも思った。
「あらあら、なんだかごめんなさいね〜。」
何このひと…。
すごくきれいな人。
よく見たら、胡蝶さんに少し似てる。
しかも、同じ髪飾りをつけてる。
誰だろう。
「はじめまして。私は、胡蝶カナエです。
胡蝶しのぶのお姉さんなのよ〜。」
ふわふわとした話し方をするなぁ。
胡蝶さんみたいに、とても優しそうな人。
そういえば、
生きていたとき、何度か話を聞いたことがある。
カナヲちゃんから。
カナヲちゃんを引き取ってくれた人で、
数年前、鬼に殺されてしまったと。
元花柱の、胡蝶カナエさん。
笑顔も話し方も、全てが花のように綺麗な人だ。
カナエ「Aちゃん、よね?
しのぶをありがとうね。
あと…カナヲも。」
A「え、私は何も…。」
カナエ「知っていると思うけど、
カナヲは少し変わった子なの。
幼い頃に、親からひどい扱いを受けて、ああなってしまって。
心を許せる人なんて、私達家族くらいしかいなかったから、
心細かったと思うわ。
あなたはそんなあの子の、親友になってくれた。
ちゃんと、彼女を受け入れてくれた。
心の拠り所を作ってくれた。
私は、とても感謝しているの。
しのぶも、あなたにはたくさん助けられたわ。」
私が胡蝶さんに助けられていたのに。
カナエ「…あまり、自分を過小評価しないで〜。
自分で気づいてなくてもね、ちゃんと、どこかで誰かが見ているのよ。
たとえ同じ世界にはいなくても。」
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