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[11]兄 ページ25

その夜、クロロは一人月を眺めていた。


"クロロ…"


月を見て、昔のAの姿を想っていた。



「君まで月を見ているなんて、兄妹揃ってそっくりだね…◇」


後ろからした声にクロロはゆっくりと振り返った。独特なその声の主、ヒソカはニヤッと口角を上げて後ろで腕を組んでいた。


「…何の用だ」

「いやいや、君に会う理由はボクにはいっぱいあるの知ってるだろう……


Aのこととか」


ヒソカはもっと口角を上げ、クロロは目尻を上げた。


「なぜ貴様がAを知ってる。俺はアイツを紹介した奴はいないと思ったが」

「Aから聞いたんだよ、素敵なお兄様がいるって♡」


ヒソカは嘘をついた。よりAと親しい中だと強調するように。


「何が言いたい」

「Aって、ああ見えて案外可愛いところもあるよね。

仕事一筋なのかと思えば外食や映画鑑賞なんかも好きで、

結構良く微笑むだけだけど笑うし、

それになんて言ったって、分かりやすいし…耳が赤くなるとか、ね」


クロロはイライラしていた。

そんなこと、俺の方が知っている。と言う程に。

そんなクロロの姿を見て、ヒソカはクロロに耳打ちするように言った。











「キスする時は甘い顔をするんだよ、Aって」











一瞬でヒソカは壁に埋まった。
その首を、クロロは力強く持ち壁にめり込ませた。


「おやおや、君にしては随分冷静さを欠く判断だね」

「…もう一度聞く、何が言いたい」

「そんな可愛いAのお兄様に許可でも頂こうかなって」

「許可…?」

「あぁ…、ボクはどうやら、Aに夢中になってしまったみたいで。

あんなに不思議な果実は出会ったことがないからさ、欲しくて欲しくて堪らないんだ…殺すのも一興だし、ボクのモノにするのも一興…。構わないかい?」


クロロは手を離した。離されたヒソカの首は、クロロの手の跡が赤く着いていたが、苦しそうな素振りはヒソカにはなかった。

クロロはまた月を見上げた。


「何も分かってないんだな、アイツのこと」

「なんだい?」

「Aはヒソカには殺られない。そしてそう簡単にアイツは人のモノにならない。

現に、盗賊の俺がモノにできていない。そのぐらい分かりやすくて気難しい女なんだよ」


クロロは出口に向かって歩いていた。そんな姿を見てヒソカは笑う。




「それはそれは、その気持ちは"兄"としてなのかね…クロロ♡」



クロロは質問に応えないまま、ヒソカの前から姿を消した。

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カノン(プロフ) - もう更新はされないのでしょうか?楽しみにしてます…! (8月28日 23時) (レス) @page30 id: cb9945ccdc (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みるきさん» コメントありがとうございます!好きすぎになって頂けて嬉しいです!頑張りますので、どうぞご期待ください! (2022年11月20日 0時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - ……好きすぎます!!!更新頑張ってください!! (2022年11月19日 23時) (レス) @page7 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます。そして応援ありがとうございます!感動したというお言葉を頂いただけで泣きそうになっちゃいました。こちらこそ、作品を読んで頂きありがとうございます。これからも応援よろしくお願い致します! (2022年11月19日 22時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - すみません。勢いのあまりに少し誤字をしてしまいました。気にしないでいただけると嬉しいです💦🙇‍♂️ (2022年11月19日 20時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年11月13日 1時

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