[10]紹介 ページ21
「え、Aじゃん」
「あれ、キルア。久しぶり」
0時をすぎる頃に部屋を出たらAがいた。
「なんだ、帰ってたんだね。イルミが心配してたよ」
「ふん、俺がどこに行こうとアイツには関係ねぇよ。てか、Aこそなんでウチにいるの」
「ああ、仕事の関係でイルミに宿泊をお願いしたんだ」
「よく来ようと思うよな。俺なんて嫌すぎてろくに帰ってきてねぇのに」
「ただの一般人の興味だよ」
Aに近づくと、嗅ぎなれた匂いがした。
「…A」
「なに?」
「人、殺した?」
「どうして」
俺の問いに、Aは顔色変えず返した。
「匂い。血なまぐさい臭いしたから。
この家の人間は現場で血の匂い嗅いでても、血を浴びて帰ることはないからこの家だと目立つかもね、その匂い」
「そっか。確かに今回は軽く血を浴びちゃったから臭うかもね」
Aは自分の腕の臭いを嗅いだ。
「殺し?」
「イルミは同業を家に泊めるほどお人好しじゃないさ。
キルアが思ってるようなことはしてないと思うよ。安心しなよ」
俺はAのことがよく分からない。
俺と出会った時も、殺し屋だって知られた時も、ゴンと一緒に旅をしている時も、何も変わらず接してくれた。時には助けてもくれた。強かった。
でもその反面、イルミとも仲良くしていて、あのヒソカですらAのこととなると目の色を変える。
仕舞いには、Aは怪しい仕事をしてるって噂。
「Aってさ、変わってるよな」
「そうかな。でもよく考えてることがわからないとは言われるよ」
「まじそれ」
ちょっと笑ってしまった。確かにAの考えてることはよく分からなかった。
Aはそんな俺を見て目線を合わせる様に屈んだ。
「キルアはそんな私は嫌?」
「!!」
Aは狡い。狡すぎる。
強いし何も屈しねぇし、女だからって舐められることもねぇのに、ちゃんと女。
「…少なくともゴンなら、AはAのままがいいって言うし、俺もそう思うけど」
「そっか、なら良かった」
Aの掌の上で遊ばれてる感覚が否めない。それにちょっとイライラもした。
「…キル、そちらの方は」
びっくりして振り返った。そこにはお袋がいた。
「げっ、お袋」
「うちに今いるお客はイルミのだけと耳にしていたけど」
え、Aお袋と話してねぇの!?
「ええと…多分その兄貴の客の…A…」
なぜ俺が紹介しなきゃならんのか、俺の横でAは笑っていた。
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カノン(プロフ) - もう更新はされないのでしょうか?楽しみにしてます…! (8月28日 23時) (レス) @page30 id: cb9945ccdc (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - みるきさん» コメントありがとうございます!好きすぎになって頂けて嬉しいです!頑張りますので、どうぞご期待ください! (2022年11月20日 0時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - ……好きすぎます!!!更新頑張ってください!! (2022年11月19日 23時) (レス) @page7 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます。そして応援ありがとうございます!感動したというお言葉を頂いただけで泣きそうになっちゃいました。こちらこそ、作品を読んで頂きありがとうございます。これからも応援よろしくお願い致します! (2022年11月19日 22時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - すみません。勢いのあまりに少し誤字をしてしまいました。気にしないでいただけると嬉しいです💦🙇♂️ (2022年11月19日 20時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宮 | 作成日時:2022年11月13日 1時