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N side
申し訳なさそうに僕の隣に入って来たAは、僕の寝ている姿を真似るように頭の下に両手を入れて向かい合うような体勢になった
何気にこんなにちゃんとAを見るのは初めてかもしれない
鼻辺りまで伸びた前髪を少しだけ分ければ、ペルセルト独特の青い目が見える
『どうしました…？』
けど、ずっと目が伏せられていてAとは目が合わない
多分、今まで一回も合ってないんじゃないかな
「あ、いや…何でもないよ。大丈夫？寒くない？」
『…私の事は気にせず、お休みになってください……』
あと、この距離感も縮まったと実感した事が一回もない
こんな近くに居るのに…
『…寝れないんですか？』
「…そういう訳じゃないんだけど…いや、そうかも」
口に出すことが出来なくて何となく頷くと、折角ベッドに入ったAがそっと抜け出した
そして姿くらましで消えたかと思えば、今度は僕がいつも使っているマグカップと、何処から持って来たのか植物を持って戻って来た
多分、口にでも大丈夫なものだとは思うけど…
するとAはマグカップを浮かせて、魔法で草をすり潰しながら、手をかざして水を出す
「そういえば、Aって無言呪文なんだね」
『…まぁ、基本的には』
すると今度は魔法を使わないですり潰した植物のエキスをカップに注いだ水に垂らしてかき混ぜる
途中で何処からか現れた蜂蜜を入れる時とか、水をお湯に帰る時とかは魔法を使ってたけど、かき混ぜる時だけは魔法を使ってはいなかった
そして数秒後にはそれが出来たのか、少し躊躇ったようにこちらにそれを差し出す
『どうぞ…』
「これは、何？」
『…飲むと良く寝れます。味は人間の口に合うようには一応なっているので、飲み易い筈です…』
「へぇ〜、人間用って事はA達も眠れない時は飲んでたんだね？」
『はい…毒成分は一切入ってないので…』
上体を起こして湯気がたったそれを受け取って匂いを嗅ぐ
そんな変な匂いはしなくて、透明なのにホットミルクみたいな落ち着く匂いがした
安心して口を付けてみると…
「美味しい…」
蜂蜜の甘みかな、何だろう…取り敢えず甘い
でも甘いんだけどそんなに甘くなくてスッキリしていて飲み易い
全部飲めば、マグカップは再び宙に浮いてAの手に収まる
そして、その後に彼女が手をかざすと僕は気付いたら横になって布団を掛けられていた
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時々雨(プロフ) - コメント失礼します。まだペルセルトちゃんの笑顔が見れてないので、いつか見れるといいなと思いました！とても気になるお話で、続きを楽しみにお待ちしてますね！ (2020年11月20日 22時) (
レス) id: 5e6f4aeb76 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Abe(プロフ) - すごく面白いです！ (2019年10月16日 1時) (レス) id: a5df0a293e (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 面白いです。文に奇想転結があって頑張ってください (2019年9月4日 3時) (レス) id: 24833da0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年7月15日 18時
