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N side
鼻を啜る音が徐々に消えて、静かな空気が纏う
その時にはもう髪の毛は乾いていた
すると突然、Aが頭を下げる
『すみません…手間を掛けさせてしまって…』
「謝らなくて良いんだよ。何も悪い事してないんだから」
『でも…』
「良いんだよ。僕がやりたくて勝手にやった事だし、君を泣かせたのは元はと言えば僕が頼んだからだ。寧ろ僕の方こそごめんね…」
僕もAに頭を下げれば、少し慌てたような素振りで顔を上げてと言う
言われたまま顔を上げれば前髪の間からAの目が少し覗いていた
伏せ目がちで、無機質で…
何処か暗くて寂しそうで、悲しそうだ
『髪…』
「ん？」
『スキャマンダーさんの髪の毛、乾ききってないです…』
「え、ホント…？」
自分の頭を触ってみれば、確かに少し湿っていた
Aの方が生物上、速乾性のある毛質なのかな
『風邪、引いちゃいます…少しだけ動かないで下さい……』
「あ、うん」
『…失礼します』
遠慮がちに頭に手が置かれて、そこから温かさが伝わる
でもそれは一瞬の出来事で、手は直ぐに離れた
その後に自分の頭をもう一度触ってみれば髪はすっかり乾いていて、少し温かさが残っている
「ありがとう」
『いえ、そんな感謝されるような事はしてませんので……』
「そんな事ないよ」
それでも、それが当たり前だと言うようにAは小さく首を振った
彼女は自分達は臆病だと言ったけど、きっと本当は違う
本当は、とても優しい種族なんだ
何に対しても寛大で、柔らかく包み込むような優しい性格の生物なんだと僕は思う
『でも一応、体を温めた方が…紅茶、淹れましょうか…』
「え、淹れられるの？」
問うてみれば小さく頷いた
ほら、こういう所とか優しさで溢れていると思うんだけどな
「そういう家事みたいな事は元々出来るものなの？」
『…20年程前、5度目の主人……魔法を使わない人間に飼われていた時に教わりました』
「そうなんだ」
『…その方は私に勿体無いくらい良くしてくれましたが、人間的には高齢だったみたいで……』
「…そっか」
彼女は、優しいマグルとも生活していたという事実に少しホッとした
20年くらい前って事は……彼女はもっと前から…
あれ？じゃあAは今何歳なの？
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時々雨(プロフ) - コメント失礼します。まだペルセルトちゃんの笑顔が見れてないので、いつか見れるといいなと思いました！とても気になるお話で、続きを楽しみにお待ちしてますね！ (2020年11月20日 22時) (
レス) id: 5e6f4aeb76 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Abe(プロフ) - すごく面白いです！ (2019年10月16日 1時) (レス) id: a5df0a293e (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 面白いです。文に奇想転結があって頑張ってください (2019年9月4日 3時) (レス) id: 24833da0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年7月15日 18時
