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眠ってる先生に向かって話していて分かる
なんか今日は気分が穏やかだ
ちゃんと、思っていることを素直に言える
『小さい頃から、何も変われてないんです。
変わろうとすると色んなものが足を掴んで、お前は行けない。と言わんばかりに引き戻すような感覚に陥るんです。
それで、そんなことが続いて、そのまま外身だけ成長してしまって…
中身は腐って、爛れて、垂れ流れてしまったんですよ』
それを埋め合わせようと無意識の内に大切な存在になった誰かに縋ってみるものの、決して同じ形じゃ無いから穴が広がる一方で、
中身が流れ落ちて、今では無いに等しいくらいだ
そんな話を1人でしている私は、実に滑稽だろう
なのに、自分でも分かるくらい緩やかで柔らかい喋り方
…だと、思う
.
それからもずっと、寝ている先生に喋っていた
お昼ご飯なんか食べずに
水分も一滴も飲んでいない
ただただ頭に次々と浮かぶ思ったことや、今まで感じた言えなかったことを喋っていた
例えば、家を売ったこととか
家の中にあったものを全部処分したとか
郡司さんに “暫く入院だが、家どうするんだ？” 何てことを聞かれた
もう要らないし、今後使う予定もないから
全部、処分してもらった
他にも、色々。
そんなことをしていれば、時間は7時頃になっていて
外は既に真っ暗
…今日はもう、起きないのかな
「ん、……」
『、先生…？』
腰を上げて先生のベッドから離れようとすると、先生の声が聴こえた
何度も聴いたことのある寝起きの声で、思わず呼び掛けてしまった
じっとその様子を見ていれば、徐々に先生の目が開かれる
そして部屋の電気の明るさに少しだけ目を細めてから、顔を横に向ける
その方向は、私のベッドがある方向で
私が今、立っている方向でもあった
目が合えば、目を柔らかく細めて微笑し
少し掠れた声で言った
「おは、よ…」
『…おはようございます。
と言っても、もう夜ですけどね』
「ははっ、そっか」
今日、初めて声を聴いた
何だろう…今日1日、凄く穏やかな時間だった筈なのに、それ以上の穏やかさと安心感が内から溢れるような感覚になる
「今日、何してた？」
『…今日は、やけに素直になれた日でした』
「何だそれ」
先生は喉の奥でくつくつと笑って
成立しない会話に笑った
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おひな(プロフ) - 感動しました。ありがとうございました。 (1月9日 23時) (
レス) @page44 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
玲生(プロフ) - 私こんな綺麗に泣いたことないかもってぐらいすーって涙ながれた (8月14日 22時) (レス) @page44 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
ケロッピ(プロフ) - ありがとうございました (8月6日 1時) (レス) id: fb652d6333 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 柊先生の生存ルートも書いてほしいです (2021年3月19日 16時) (レス) id: b4ba18a803 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - え、え？最終更新日が…？また更新されるのですか？期待しても良いのでしょうか？笑 (2021年1月18日 23時) (レス) id: 76abfc2842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年5月14日 23時
