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目線を逸らす甲斐くんの顔を両手で掴んで石倉くんは自分に向かせる





「それを、お前は!
お前の勝手な考えで見限った…!

俺達仲間じゃ…、ダチじゃなかったのかよ…ッ」





石倉くんは頼らなかった甲斐くんに対して


少しでも気付けなかった自分に対して怒り、悔しそうに泣いていた





「…必死に縋っても、ダメな時はある。

どうにもならないことだって、山ほどある。


でもお前には、少なくともそのチャンスがあったんじゃなかったのか?」



「…もう遅ぇ」





そして甲斐くんも、床に手をついて泣いていた





「もう遅ぇんだよ、何もかも…

今更どうにもならねぇんだよ…ッ!」





もう無理だと少し自暴自棄になりながら叫ぶ甲斐くんの髪の毛を掴んで、先生は上を向かせる





「甘えてんじゃねぇぞ。

お前は景山の人生を狂わせた1人なんだよ、
遅いなんて言わせない。

景山のためにも真実を明かして、明日と闘え。


抗え!踠いて掴め!!

生きてるお前には、それが出来るんだよ」





貫くほど強く鋭い目で甲斐くんに言い、手を離した


そして先生は、改めて問う





「動画を加工したのは誰だ?」



「っ、言えねぇッ…」



「甲斐ッ!!」



「言ったら何されるか分かんねぇんだよッ…

俺がバラしたらっ、俺の家族が…ッ!」





脅されていた

きっとそれは、大きな力に


怯えて泣いている姿を先生は真剣な眼差しで見る





「俺が何とかする

だから、俺を信じろ」





しゃがんで甲斐くんと目を合わせ、普段の優しい声で

柔らかい目で言った





「人殺しを信じろって言うのかよっ…」





そんなときだ、足音が聞こえた


この上なくタイミングが良い





「信じても良いと思う。

先生は…きっと誰も殺してない」



「どういうこと?」





どうやら茅野さん達の作戦は成功したようだ


準備室に入ろうとしたら、電気が流れていて

もう一度ドアノブを触ろうとすると中尾くんが、ケガする。と言って止めた


とりあえず他の人も生きてるということと

先生が事件を起こしたのは私達のためだということを知らせた


そして、先生を信じて欲しい

中尾くんがそう言ったそうだ





「だからって、1人の教師がどうこう出来る問題じゃねぇんだよ。

相手は…」



「ベルムズなんだろ」





そういう先生の目には涙が溜まっていて

それでも確信を持った顔をしていた





ベルムズ…


なんか、胸騒ぎがする









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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月28日 0時

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