【3年A組】杭は出なきゃ打たれないはず 2【今から皆さんは人質です】 (ページ21)

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先生が大分楽になったと判断して先生から離れた。

教室に戻れば、茅野さんが甲斐くんにお礼を言っていると言う光景が目に入った

…何で？

不思議な組み合わせと光景に疑問を抱いていたら

宇佐美さんと目が合ったからそちらに近付く

「あ、A！

あんた何やらかしたの…」

『…特には、何も』

何故私がやらかしたって前提なのかはこの際気にしないことにした

まぁ軽く説教みたいなことされたから、やらかしたっちゃやらかしたんだろうけど

一応何もなかったってことにして返事をすると、何か察したような表情をした

「なるほどねぇ～、ぶっきーってそうだったんだ」

「えっ、何のこと？何の話？」

『…さぁ？』

ごめんなさい、先生

なんか変なことになっちゃいました。

先生のことだから適当に躱すんだろうけど、それでも面倒臭いことには間違いない

…迷惑掛けちゃうなぁ

逢沢は分かってないみたいだけど、それで良い

『で、茅野さんはどうしたの？』

「あー、甲斐の傷害事件あっただろ？」

『うん』

「そのときに甲斐が景山を助けてくれたことを知って衝動的に動いたって感じ」

…あのビデオで甲斐くんのこと「恩人だ」って言ってたもんなぁ

攫われそうになったのを助けてもらったって言ってたけど…

何でそうなったの？っていうのが疑問だった

「そんな貴方が澪奈のことを陥れるような動画を撮らせたなんて思わないし、何か事情があったんじゃないかって」

「…そんなもんねぇよ」

「私で良ければ相談乗るし！

力になれることがあれば協力するから…」

「何言ってんだよお前！

…何も知らねぇくせに首突っ込んで来んじゃねえよ」

そう言って教室を去ろうとするけど、

「だったら話してよ！」

廊下に一歩出た所で茅野さんに言われて甲斐くんの足が止まった

…茅野さん、強いなぁ

「何も知らないから、みんなどうすることもできないし！

話してくれればきっと分かることもあると思うから」

それでも甲斐くんは何も言わず、止めていた足を進めた

何か、甲斐くんの後ろに大きな力があって、それに脅されている

だから何も喋れないとしたら…

いや、分からない

仮説に過ぎないから、確証も何もない

「あ、ちょ！
A、何処行くの？」

『…御手洗い。行かせて？』

「あ、ごめん…」

少なからず、甲斐くんは暫く口を開かないだろう

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