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通話を終えた先生は、やっぱり腰が痛かったのか手に腰をやっていた


…摩ったら、気分的に痛みって和らぐんだっけ




そんなことを思い出して先生の斜め後ろに立って腰を摩る


すると先生は、一瞬ビクッとしたけど手を払うことなくそのままでいた





「何も、聞かないんだな」





まだ痛みが引かないのか少し目を瞑って堪えるようにしていた


よく見れば脂汗をかいていたからポケットからハンカチを出して拭いてみる



…何も聞かない、ねぇ



聞きたいことは山ほどある

気になってることだって沢山ある



でも、それって





『…先生に迷惑掛けるじゃないですか。

聞かれたくないことだってあるでしょうし』



「…何で、迷惑だって思う?」



『えっ、何でと言われても…先生が忙しいから、ですかね。

忙しくて大変なときに質問されるのって、多分ですけど疲れちゃうと思うんです』





それにただでさえ先生は今この状態だから、負担が掛かると思う


迷惑とか負担とか掛けたくないから何も言わずに黙ってる

…違うのかな



返事がないから不安になる


暫くの静かな時間が続く中、私は未だに腰を摩っていた





「…ありがとう。大分、楽になったよ」



『あ、いえ…』





その答えは聞けず、返ってきたのは感謝の言葉と小さな笑顔だった


パッと手を離すと、先生は今度は私の手を握って自分の方に引く





『…わっ、』





突然のことにバランスを崩して、気付いたら先生の腕の中にいた


その腕の中で背後から抱き締められるような状態にされて、先生はそのまま椅子に座る



すると私も必然的に座ってしまうわけで、先生の膝の上に座るという謎の体勢が発生した





『え、どうしましたか?』



「落ち着くからこのままな」





先生はそう言ってお腹辺りに腕を回して、膝から落ちないようにかギュッとして肩辺りに顔を埋める


普通に椅子があればそっちに座るのに…


髪の毛が当たって擽ったい

それに、膝に乗るのは先生に負担が掛かるから早く退きたい





『…重いですよ』



「食ってないくせによく言うよ」



『…食べてはいますよ』



「飴は食べたに入らない」





…あの監視カメラ、高額なだけあるなぁ


というか、それを言うために呼んだのだろうか

少し怒ったような言い方だ



そんなことを思って、離れることは不可能と判断しじっとしていたら先生はマウスをクリックした

するとパソコンには文香さんが映し出された







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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月28日 0時

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