・ ページ18
・
先生が教室を出るときに呼び出しを食らった
色んな人からの視線が刺さるから少し嫌だったけど、
従わない訳にはいかなかったから後を追った
何か言われるんだろうと思って準備室に入らずにいたら
先生が振り返って腕を引き、準備室に入れた
『あの、せんせ…』
「しー…」
『……』
要件を聞こうとしたら、先生はスマホを耳に当てながら自身の口に人差し指を添えて静かにするように指示をする
…何で私はここに居るんだろう
《何だ？》
「郡司刑事は、どうなりましたか？」
《捜査外れて所轄に戻ったよ》
電話の相手は五十嵐さんのようだ
…外部からの情報は外部の協力者が必要なのか
だったら、もう1人くらい居そう
五十嵐さんは警察の人だけどバレたら即終わり
リスクが高いだろうから…
多分だけど
「それは良かったぁ。
郡司さんには、別の角度からこの事件に切り込んでもらわないと」
先生は机の上にあった缶の中をガサガサと鳴らして何かを取り出しながら通話をする
…薬だ
あー、うん。動作的に薬を飲んでいる
風邪…って訳じゃないから、病気とかだろうか
1日目から薬を見つけてしまったから気になってはいた
あと、郡司さん外されたのか
あんな事があったからそりゃそうだろうけど…
…先生、別の角度から事件を切り込んでもらうって言ってたな
何か外で別のことを解決してもらいたいんだろうか
《全てお前のシナリオ通りってわけか…
だがな、今回の一件で警察も早期解決へ向けて本腰入れるだろう。
俺も何処までフォロー出来るか…》
「…分かってます。
そろそろ、第一部の完結です」
第一部の完結…
一体何部構成なんだ
というか、郡司さんが外されたのは想定内…
いや、先生の意図…？
《…体の方は大丈夫か？》
「えぇ、すこぶる快調ですよ」
そう言う先生は、前屈みになって机に体重を掛けているように見えた
…腰が痛いときの体勢に似ている
それに、快調って言い方じゃない
「あ、そうだ。
渡瀬Aの事なんですが、あの資料に偽りはありませんよね…」
《…本人と答え合せしてくれ。切るぞ》
「…分かりました。では、また」
待って、これって聞いて良かったの？
それに資料って…どこまで調べる気だったの
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 586人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち | 作成日時：2019年3月28日 0時
