【3年A組】杭は出なきゃ打たれないはず 2【今から皆さんは人質です】 (ページ2)

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やっぱり手を挙げる人なんて居なくて、

兵頭くんがクラスの大半の意見を代弁するように「挙げるわけねぇだろ！！」と強く言い放った

「じゃあ動画を撮った生徒、見つけないとな」

「見つけるってどうやって…」

「昔から犯人捜しは、お巡りさんの仕事だと決まっている。

という訳で、今の話聞いてましたか？

郡司真人警部補…」

『……』

先生がその名前を言ったとき目が合った

もう、最初にスマホの画面を触ったのは通話をしてたからとかどうでも良くなった

何で私の方を見ていたか

多分それは昨日の五十嵐さんの件があったから

「これから、問題のフェイク動画を貴方の携帯に送ります。
そしてその動画の、撮影者を捜して下さい。

タイムリミットは夜の8時…

見事、犯人を当てることが出来たら、全員を解放しましょう。

ただし、間違えたら
…クラスから犠牲者が出ます」

《なんだと？》

「まぁいつもは1人なんですけどねぇ…
刑事さんは、捜査のプロですから！

生徒、5名の命を奪います」

ただでさえ1人犠牲になったというのに

5人という数は、このクラスにとっては大きいものだった。

生きていると知っていても、それでもなかなかのショックを受ける

「僕のプレゼント、気に入ってもらえましたか…？」

《嘗めた真似しやがって…》

「期待してますよぉ～

Let's think！」

そう言って先生は通話を終了させた

そして動画のスクリーンとかを片付けていく

「A、カーテン開けといて。

あ、お前らの今日の朝飯ここにあるからな。

1個ずつだぞ～」

先生に言われたので、ちゃんとカーテンを開ける

カーテン開けると眩しいのは分かるけど、あまり睨まないで

口には出さずにそう思いながらも動作を続ける

すると先生が美術室に向かうのが背中越しではあるけど分かった

「5人ってどういうことだよ！？」

「何だ、5人じゃ不服か？なら10人にしようか」

そういうことじゃない

なんて言える雰囲気が先生から醸し出されていたらどれほどこのクラスの空気は軽いものだっただろう

冗談はやめろと声が上がるが、先生は本気だった

「刑事さんを可哀想に思うなら、動画を撮った者が、速やかに名乗り出ればいい」

「名乗り出るわけねぇだろ…」

「だったら刑事さんを信じるしかないな」

ドアを打ち付けるように強く閉めた先生の言っていたことは正論だった

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