3日目 ページ1
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あの後は、1日目同様に抱き締められたままベッドに強制送還された
だから絵も途中のままだったし、
今度は正面から抱き締められたから抜け出す時が大変だった。
それから、やっぱり睡眠時間は短くて早く起きちゃったから絵の続きをある程度描いてから教室に戻った。
みんなを起こさないようにドアを静かに開閉して教室に入り
景山の席に座ってうつ伏せになった。
周りに馴染むように、
寝てるように見せるために
「今日も、俺の授業を始める。礼」
そして先生によるモーニングコールなどがあって今に至る
礼をしたら着席の指示で席に座る
いつも通りだ
ただ、気になったことは一つ
先生が教卓の上に置いたスマホの画面を触ってから挨拶をしたこと
…録音か、通話か
どちらにせよスマホを使うということだ
「どうだー、昨日は寝られたかぁ〜?」
「寝れる訳ないでしょ…」
「そうかぁ…
やっぱり暖房完備でも雑魚寝はキツイか」
「くだらねぇこと言ってねぇでさっさと解放しろ!」
「…なら、早いとこ真実を掴まないとな」
カーテンを閉めながら答える先生に甲斐くんが苛立ちを露わにする
そんな甲斐くんを煽るように彼の肩を両手で叩いて顔を近付けて先生は言った
…2日連続でベッドで寝たなんて口が裂けてもクラスメイトの前では言えない
どちらも強制的ではあるけれど、それでも言えない
「じゃあ早速だが、今日の課題を発表しまーす。
茅野、電気を消してくれ」
席が電気のスイッチから近い茅野さんが言われた通り電気を消した
そして暗くなった教室で、黒板に映し出されたのは映像だった
教卓の上の小さい黒い画面のやつはプロジェクターだったか
「これは、ドーピング疑惑で使われたフェイク動画だ。
この動画をSNSに投稿したのは、宇佐美だ。
だが、撮影したのは別の誰かだ」
「どうだか。罪を軽くするための言い逃れじゃねーの?」
「はぁ?」
「宇佐美が言っていることは本当だ。
フェイク動画を撮った生徒は、この中に居る」
そのとき、クラス全体が何かを疑うような目に変わる
生徒に対してか、その先生の発言に対してかは分からないけど
「先生は誰か知ってるんですか…」
「大体の目星は付いてる。
さぁ、動画を撮った人……正直に!
手を!挙ーげーて!!」
いや、あのですね…
それで出てたら昨日の時点で自白してると思うんです
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月28日 0時