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席を立った先生は教卓に戻り、クラス中を見渡す
「これからみんなにチャンスを与えよう。
何故、景山澪奈は死んでしまったのか。
その理由を夜の8時までに導き出せたら、みんなをここから、解放してあげよう。
但し、回答は一度だけ。
不正解の場合、
___誰か1人死んでもらう」
至って普通の声なのに言ってることはかなりの爆弾発言だ
その言葉に周りは動揺し、ざわめき出す
先生は平然としていて、表情は何も変わらない
目は常に真剣だった
「何言ってんだよ」
「ねぇ冗談でしょ!?」
「本気だよ。
だってお前ら、それくらいやんなきゃ真面目に取り組まないだろ。なぁ!?」
ここまで強い口調の先生を見るのは初めてだった。
それ程までに先生にとってこの事が如何に重要で、
如何に考えさせたいものなのか、解決させたいものなのか
ひしひしと伝わってくる。
突然、「あ、そうだ」と思い出したように先生が呟いて続けた
「じゃあその、回答する生徒を1人決めておこうか」
そう言って先生は生徒1人1人を見始める
まるで授業で当てられる時みたいにみんなは顔を下に向けた。
私はというと、何もせず、ただ黒板を眺めているだけだった
一瞬目が合ったけど先生はすぐ逸らした
「あ、じゃあ茅野」
「え、」
「学級委員だし丁度良いだろう」
「丁度良いって何がですか。
全然丁度良くないです!嫌です、絶対いや!」
茅野さんの反対も虚しく、
先生の、ギブアップするなら1人死ぬ。という条件を聞いて何も言えなくなっていた。
非日常すぎて、クラスの人達は頭が追いついてないんじゃないか
それ以前に、もし夜の8時までに答えが出なかったらずっと学校にいるわけで、
みんなの親御さんは心配しまくる…
_バンッ
そんな音が左側から聞こえて見てみれば
椅子が転がっていた。
「あー、その窓は強化ガラスだから割れないよ」
先生が気だるそうに頭を掻いてそう言った。
…窓に椅子をぶつけて割ろうとしたのか
「ふざけてないし、茶番でもない。
俺は、この半年間、この日のためだけに過ごしてきたんだからなぁ」
この日のためだけに半年間、ずっと…?
今日に至るまで
この事を計画していた…?
「Let's think。渡瀬、運ぶの手伝ってくれ」
気づけばそう言われてて、慌てて立ち上がった
…今日はパシリの日だ
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優(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時