【文豪ストレイドッグス】元.ポートマフィアの指導者 Part 4

陸拾頁─心配─ ページ7

A Side


国木田さんに図星を突かれたことに驚いている中、探偵社に高い電子音が鳴り響いた。


私は判らず答えを求めようと先輩を見る。

太宰さんは顔を顰め、国木田さんは真っ青になっていた。




「真逆ッ！｣

『太宰さん、この音は』

「鏡花ちゃんの携帯に着信があった時に鳴るものだ。...拙いことになったよ｣

「現場には俺と賢治が向かう。お前達はここで待機だ！｣




着信があったことの何が悪いのかはよく知らないが緊急事態だということは確か。

国木田さんと賢治君は勢いよく探偵社を飛び出した。


残ったのは私と太宰さんだけ。

この場合は国木田さん達が戻るまで資料整理やパソコン作業をしたほうがいいのだろうけど、勿論そんな事は好んでしない。

かと云って何もしないというのも暇なので私は太宰さんに話しかけた。




『ねぇ、太宰さん。太宰さんはこの状況をどう思います？』




そう問うと彼は神妙な顔をつきで未来予想を綴っていく。




「そうだね...まだどうなるか判らないけど、間違いなくAは異能の使いすぎで倒れるだろうね｣

『うげぇ、矢っ張りそうですよね......あﾞぁ〜昔の環境も嫌だけど、今の環境も好きになれない！』




ずしっと背もたれに体重をかけて心の底から嘆く。


...フルール、間に合うかな。




「無理はしないでよ。奇跡は二度も起こらないのだから｣

『判っていますよ。私もまたあぁなるのは勘弁です』




...毎日無理してますって。

君達を、この街を守るためだって。

そう正直話したら、貴方はこんな私を許してくれますか？

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