零頁─有島生誕祭 2─ ページ33
あの後思い出したように時計を見ると、普段の起床時間より一時間も早かったことが判明した。
そりゃあ機嫌は悪くなるし、何もしたくなくなるわけだ。
しかしながら早起きは三文の徳。
私も今日くらいはこの時間から支度をしてはどうだろうか。
そう自問自答した結果。
『本音を云うとまだ寝たいんだけど...まぁ、花の世話でもしに行こうか』
向かう先は自慢の花畑。
朝のあの一件があったからか、その道を私は妙な緊張感に包まれながら歩いた。
結果的にそれは無駄だったわけだけど。
『花はいつ見ても綺麗だなぁ。癒される』
見慣れている私でも思わず笑みが零れる。
深呼吸をし、花の香りで肺をいっぱいにする。
ゆっくりと息を吐いて気持ちを落ち着かせ、彼らに水をあげるべく水道に足を進めた。
私の花畑では約八十種類の植物を栽培している。
大きなものから小さなもの。
暑さに強いものから寒さに強いもの。
自分が楽しむためということもあるけれど、勿論お客さんのあらゆる要望に答えるためでもある。
水やり用のシャワーヘッドが付いたホースを手に持って蛇口をひねる。
花は目で見て楽しむ人が多いだろう。
実際に花屋には開花した状態の植物が多く並んでいる。
だけど私は観賞よりもその前、植物を育てる段階が一番楽しく心が躍る。
芽吹きや蕾が開いていく様は一番生命の力強さを感じられる気がするから。
勿論、観賞も大好きだ。
けれど...
もう伸びしろがないと判っているものを見続けるのは、何とも云えず胸が締め付けられる。
697人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
煉華☆(プロフ) - 書いたつもりだったのですが(;・∀・)中也さんはもう少し夢主と絡ませる予定です!コメントありがとうございました! (2017年2月13日 10時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 名無しさん» こんにちは(*^^*)やっぱり分かりにくかったですかね?何故かシリーズ化しないんですよ...。説明欄から行けるようにURLを貼っているのですが、また今度見えやすいようにしておきますm(_ _)m お、気づいてもらえましたか!自分では気づくか気づかないかくらいの色で (2017年2月13日 10時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こんにちは。part1が分かりづらくちょっと大変でしたが、最初から最後まで読ませてもらいました(^ー^)最新話の夢主の「…馬鹿」がもう可愛すぎ!これからも頑張ってください! (2017年2月11日 15時) (レス) id: 23590d66be (このIDを非表示/違反報告)
鈴燈輝葵(プロフ) - 煉華☆さん» 双黒大好きなので楽しみです♪ (2017年1月9日 2時) (レス) id: 2f068cebfc (このIDを非表示/違反報告)
ふぅり(プロフ) - あ、ほんとだ、すみません、!!!フォローさせていただきます!(`・ω・´)ゝ (2017年1月8日 15時) (レス) id: d25cb7c6f8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:煉華 | 作成日時:2016年12月7日 19時