プロローグ ページ1
くっきりとした空に飛行機が飛翔する。まるで水色の布を縫うように飛行機雲が作られる。橙色と紫色の争いが地平線の近くで行われている時間たいの中、一人の少女がてさげバックを片手に歩いていた。髪と髪の間を風が通り抜け、ふわりと揺れた。靴が楽しそうに音を奏でる。ふっくらとした口唇から言葉が紡がれた。
「先生、私の小説をなんていうかな……! だけど今回は大分うまくいった! 絶対に私も小説家の仲間入りだ! 長年の夢がかなうぞ!」
喜々とした顔で少女は駆ける。少女は一つの、古く大きな屋敷で足を止めた。生唾を喉に通すと喉仏が上下に動く。少女は震える手を必死に抑え込み、インターホンを鳴らした。
「入って来い」
インターホン越しからも伝わる威厳に少女の背筋は自然と立ち上がった。己の掌を強く握りやけに重く感じる扉に手を這わせ、押してみる。古臭い音を立て扉は開いた。
「おお、Aだったか」
縁側に腰を掛け、御身が群青色の着物で包まれている若い一人の男性が嬉しそうにはにかんだ。兎月A。それが少女の名前であった。Aは普段はおしゃべりな口を一文字にきゅっと閉じ、緊張した面影で頭を垂れた。
「はは、そんなにかしこまらなくてもいいよ。おいで」
「失礼します、芥川先生……」
芥川龍之介。それが男性の名だ。かの有名な羅生門、蜘蛛の糸を作成した文筆家である。芥川が隣を軽く叩けばAは一度、芥川の足元にすり寄っている三毛猫を
「して、今日は用があるのだろう?」
「はい! 芥川先生に見て欲しい物がありまして」
「ほう? 見て欲しい物とな。どれ、見せてみろ」
Aは芥川にどのような反応がしてもらえるかと思いを胸に抱えながら芥川に恐る恐るホチキスで止められた小説を渡した。芥川はなんともいえぬ表情で題名が書かれた紙をみつめた。
「……題名も肝心だが……1番中身が肝心だからな……」
芥川は怪訝そうな表情で紙をめくった。
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from56(プロフ) - 境さん» そういえば貴方って小説を書いてるんでしょうか?良ければ見せて頂きたいと思うんですが...不快に思われたらすいません。 (2021年11月14日 9時) (レス) @page6 id: 61c4c94abf (このIDを非表示/違反報告)
境 - 小説の基本ルールである行頭の字下げ・感嘆符の後ろのスペース・「驚いたように顔を驚愕に染める」の二重表現、「彼等は〜」とおっしゃっていますがこの作品も小説ではないと思います。 (2020年10月5日 18時) (レス) id: 24cdb837af (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこまる - 作者様の言い分すごく分かります。しかし、難しい言葉を並べた、修飾語をただ多く付けただけの文章も萎えます。情報量が多いと読み辛くなります。スピードが落ちることは小説なら致命傷になります。大幅にカットしたり所々文を短くしたり改善することをすすめます。 (2020年3月22日 21時) (レス) id: a3bf9a0488 (このIDを非表示/違反報告)
ソウ(プロフ) - とてもよく分かります。小説と言っておきながら、顔文字とか台詞の前に名前書いておくとか、台詞を連発するなんて。あまり感心しませんし、許し難い行為だと思います。まあ、私も4連続位で台詞書いてしまうのですが。 (2020年3月13日 22時) (レス) id: a9c96849d7 (このIDを非表示/違反報告)
腹8分目(プロフ) - 椿さん» あぁ…わかります。その人物の表情や雰囲気を文字で伝えるのが小説なのに(*´ー`*)とかあるとちょっとえぇ…って思っちゃます笑 (2020年2月11日 2時) (レス) id: 514654b5a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年1月14日 21時