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210話 ページ29

甘露寺さんと共に向かったのは、蝶屋敷からそこまで遠くない山。
すぐ麓には村があり、鬼が現れれば一瞬にして村の人達は食われてしまう。

今日は暗い曇り…鬼が活動した場合、夕刻では確実に手遅れになる。
鬼がまだ出てないならラッキーだし…出てたら早めに仕事が終わるって事だな。

「Aちゃんも予定とかあったんじゃない?すぐに終わらせるわね」
まだ出ると確定したわけでは無いが、甘露寺さんはそう言って眉を下げた。
甘露寺さんのせいじゃないし、そんな申し訳ない顔しなくていいのに…

『甘露寺さんこそ…何かご予定は…?』
「実は任務の前に伊黒さんと甘味処に行く約束をしていたの。」
伊黒さん……まだ任務で世話になっていないが…うん、あの蛇の人だよな。
柱合会議で不死川さんと共に鬼絶対許さないマンだった人だ。

意外だな…甘露寺さんみたいなフワフワ可愛い人と、色々厳しそうな伊黒さん…
勝手なイメージだけど仲良いのが意外だ。



……と、そんな甘露寺さんの言葉も虚しく。
いや、鬼が活動し始める所だった事は早めに仕事が終わるから良いんだけど…
「……多いわね」
『…多いですね』
近づくにつれて感じた鬼の気配。
一つ一つは雑魚、けれど有り得んくらい数が多い。
山に入ってすぐ大勢に囲まれた

「何でこんなに居るのかしら…」
甘露寺さんの言う通り。
鬼って普通群れないんじゃなかったの?
どういう事だよ…と思って周りの鬼を見て、ふと気がつく。
『…もしかして分身してる?』
数は多い…が、あちこちから感じる気配はどれも似ていて…いやこれ一緒だわ。
集中してみればわかる。
全て同じでは無いから、同じ血気術を持つ鬼が数人集まっているんだ。
本体は3人くらい。後は全部分身。

「けれど、それにしては妙だわ」
分身にしては気配が強すぎる。
まるでそこに居るみたいで、本体がどれか分からない。
先程から鬼は私達を囲んでおきながら手を出してこない。
ニタニタ笑ってこちらを見ている。
オイなめんなよ、こっちには柱の甘露寺さんが居るんだぞ

「「「本体を探そうとしても無駄だ」」」
すると鬼が言ってきた。
全部の鬼が一斉に喋るから辺りにグワングワン反響する。
「「「俺達は全て実像の分身。血気術は使えないが力は本体と同じ」」」
実像…それつまり全部の鬼の首斬らなきゃ駄目って事だよね
何その血気術ダルすぎでしょ、まあ一人一人が雑魚に変わりは無いが。

『…』
雑魚でも数が多いと厄介
…これは時間がかかりそうだ。

.

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癒し系猫(プロフ) - 宇髄の髄は隨じゃありませんよ〜! (5月2日 19時) (レス) @page20 id: 0e8640f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» 作者の妄想やら想像詰め込みまくりですよ笑 そう言って頂けて嬉しいです! (2020年3月25日 21時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 面白い!こういう話大好き (2020年2月20日 4時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» ありがとうございます!いつも応援して下さってますよね、本当に嬉しい限りです!頑張りますううううううううう!!! (2020年2月4日 7時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - おもしろいです。完結するまで毎日見るねええええええええええええええええええええ!!! (2020年2月2日 9時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まどろみ | 作成日時:2020年1月1日 21時

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