今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。〜fifth〜【鬼滅の刃】

197話 ページ16

女の両肩は切り落したはずだった。
しかし鎌が通過すると同時、姿変わらず女は拳を振るってくる。
「おかしいだろ。なああ！」
肩は確かに切断されていた。
しかし切断されると直後すぐに回復が始まってしまった。
先程の足も……

…信じられない。
上弦の俺だってあんな回復力は無い。
数秒はかかる、それを女は一瞬で…
「…」
…まずいかもしれない
この女、俺と攻撃を交わすうちに戦い方が変わってきた。
単調なのはまだ変わらないが、背後からの斬撃も避けるようになったのだ。
回復するとは言っても体力を使ってしまうしな

速さと回復力に加え頭も使って戦われたらそろそろ俺もやべぇ
本格的にコイツを潰す方法を考えなければならない。
まずは隙を作って…



((バンッ
「…」
女が先程より拳を大きく振るった。
俺は咄嗟に背後へ飛んで拳を交わす…が、
「な…っ」
俺の左腕がブラりとだらしなく垂れる。
力が入らない…！
見れば俺の左肩は爆発したかのように抉り取られていた
左腕が繋がっているだけまだ良い。

間を置かず詰めてくる女を弾く。
すぐに左肩は回復し元に戻るが…女のように一瞬ではないな

「…チッ」
にしてもこの女…っ
…今の拳、俺は避けた。
避けたにも関わらず肩は抉られた。
女が拳を突き出すと同時、空気振動に体は押され爆音が鳴った…
「(…アレは確か)」
空式、とか言っただろうか。

上弦の参、猗窩座が似た技を使っていたのを覚えている。
何百年か前に上弦で顔を合わせた時、一度使う姿を見た事があった。
だがなぜ…どうして女はその技を…

ここまで強い鬼、確実にあの方の血が濃いのだろう、それも上弦並に。
猗窩座と同じ技も使う。
…もしや俺と…いや俺よりもコイツは……



俺は斬撃を背後にいくつも出現させる。
それらを避けるため、俺への攻撃が少し弱まった時…
円斬旋回・飛び血鎌

両腕に巻き付くように現れる斬撃。
触れたものは全て切り裂かれる…女の回復が早くとも、絶え間なく攻撃が続けば四肢は吹っ飛ぶだろう。
そうしたら近くの屋敷で潰して…まあそれも時間稼ぎにしかならないだろうがな。
仕方ない、柱は置いておいてすぐに向こう(妹の方)に行くか

俺が腕を振るえば、女は大きく跳躍して交わそうとする。
しかし斬撃は女の片足を捕え吹っ飛ばした。
空中に逃げても鬼同士の戦いでは変わらない、すぐに追いつけるぞ
女を追いかけ俺も地面を強く踏み込む
……と、

落下する速さと対照的に、女はユラりとその羽をはためかせた。

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