今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。~third~【鬼滅の刃】

102話 ページ10

「老いることも死ぬことも、人間という儚い生物の美しさだ」
老いるからこそ死ぬからこそ人間は愛おしく尊い。
強さという言葉は肉体だけを指すのではない。
「この少年は弱くない、侮辱するな。」
そして続ける
価値基準が違うのだと。
「俺は如何なる理由があろうとも鬼にならない」

猗窩座は一言先程と同じように「そうか」としか言わなかった。
しかし、やっと話すのは無駄と気づいたのか構えの形を取った。
韓国とか中国とかの拳法に似たものがあったような気がする…
「鬼にならないなら殺す。隣のお前はあの方の元へ引きずっていってやろう」
あの方…鬼舞辻の事か



…そこからは速い
猗窩座が煉獄さんが私が同時に動く
猗窩座が煉獄さんに向かって迫り、彼が刀を振るえば上へ跳躍する。
そこへ煉獄さんの影から飛び出していた私が蹴りを入れれば、当たり前ながら腕でガードされた。
…一応コレ並の鬼なら頭ぶっ飛ぶ威力なんだけどな
続けて体を捻って回し蹴りを放つも反転して避けられた。
私に体を向けていれば背後から煉獄さんの攻撃、これも避けるがまた私の蹴りや拳が飛ぶ

猗窩座の意識をどちらか一方に集中させない。
私は前世で喰種として仲間と連携して戦うことが多かった。
だから動きを合わせるのは得意だと思う
煉獄さんの負担、邪魔にならないように細心の注意を払いながらも強い攻撃を出す
別に致命傷を与えられなくてもいい、まず首切れないし。
私の攻撃を猗窩座が避けたりガードしている時に煉獄さんが攻撃を与えられれば良いのだ。

下手に煉獄さんの前に出ない。
それに煉獄さんは人間だから鬼とは体力差がある
技を何度も繰り出している訳だし、できるだけ彼が少ない動作で攻撃を出来るようにする必要もある。
だから基本私は、交わす時上へ遠くへと離れる猗窩座を押し戻す役目だ。

「今まで殺してきた柱たちに炎はいなかったな。そして俺の誘いに頷く者もいなかった」
私の攻撃を跳んで避けた時、猗窩座が口を開いた。
「なぜだろうな？同じく武の道を極める者として理解しかねる。選ばれた者しか鬼にはなれないと言うのに。」
選ばれた者しか鬼になれない？
何を言っている、逆に鬼になりたい人なんて居るのだろうか。
少なくとも私は人間で居たかった
多くの人が望まず鬼になり、そして本能のままに大切な人達を食べてしまい絶望する。
物が食べれない、大切な人と日の下を歩けない…幸せから遠ざかるだけなのに。
猗窩座は鬼は誰しも羨む存在のように言う。






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