今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。~third~【鬼滅の刃】

100話 ページ8

移動させていると、更に大きく車体が跳ねた。
『わっ』
「Aちゃん！」
善逸くんが私の名前を呼んだ。
思わずよろけて尻もちをつけば、床が横になり、壁が地面へ向く。
重力に従って私の体はコロコロと転がって壁にぶつかった。
そして跳ねていた車体も止まる。
列車が横転したんだ
ここの乗客の人達は移動させたけど、他の所は大丈夫だろうか
善逸くんの方へも声をかけてみたが返事がなかった。
車両をのぞいてみたけど姿がない。
外かな、不安だ…乗客は無事っぽい

状況がわからない
今の断末魔と列車の横転はなんなんだ？
一旦外へ出よう。
車両の繋ぎ目の所へ走ると外へ飛び出す。
出てみて気づいたが列車は見るからに酷い有様だった。
…簡単に言うと気持ち悪い

鬼の乗客の人達を襲っていた筋肉みたいなやつが膨張していて、列車は半分ソレに飲み込まれている感じ
知らぬ間に列車ごと飲み込まれそうだった、って事かな。
怖っ、鬼の胃袋も怖っ
まあでも鬼の筋肉がクッション代わりになったのか、跳ねて横転した割には衝撃が少なかった。

辺りを見回すと少し向こうに炭治郎くん伊之助くん煉獄さんが見えた。
炭治郎くんは倒れていて…怪我してるのか
当たり前か、十二鬼月と戦ったんだもの。
重症じゃないといいが…
善逸くんと禰豆子ちゃんは無事だろうか。
善逸くんはどこか外へいるだろうけど怪我してないかな…

でも今はとりあえず、煉獄さんと状況確認がしたい。
3人が居る方に走ろうとする、と
『っ！？』
突如どこかから強い鬼の気配がした。
今まで感じた事がないほど
気配だけで体が強ばり、足を止めてしまう
今回や那田蜘蛛山の鬼よりも強い、段違いに強い！
なんなんだ…？
急に現れた。どこだ？上弦か？

冷や汗を流して周りを見渡して、そして気づいた。
『上か！！』
バッと上空を見れば、ちょうどその鬼は落ちてきて。
((ドォンッ
落下して、砂埃を撒き散らして着地した。

鬼は体を煉獄さん達の方へと向ける。
『…』
目の前にしてすぐにわかる。
威圧感に押される。
視線は完全にこちらに向いていない。
眼中に無いとわかっているのに凄い緊張してきた



……と
((ドン
『！！』
瞬間、鬼の姿がそこから消えた。
一瞬で倒れている炭治郎くんの所へと飛んだ。
手負いの者から殺す気だ…！
拳を振り上げる。
もちろん煉獄さんが易々とさせるわけもなく斬りかかる。
鬼はサッと離れて距離をとった。
鬼の手は、煉獄さんに今しがた斬られたはずなのに秒で回復していた。



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