今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。~third~【鬼滅の刃】

104話 ページ12

「生身を削る思いで戦ったとしても全て無駄なんだよ杏寿郎、お前が俺に喰らわせた素晴らしい斬撃も既に完治してしまった」
確かに鬼なら内臓が潰れたって3秒あれば完治している。
「どう足掻いても人間では鬼には勝てない」
…でも、
『…それは違う』
ポロリと口から零れた。
猗窩座に何だと睨みつけられる。
『…煉獄さんも言っていたけど人間は強い。終わりがあるからこそ、一瞬一瞬が脆くていつ壊れても可笑しくないから強くなれる。鬼には永遠しかない。永遠は弱い。肉体は生きていてもいずれ心が死ぬ。明日が保証されている限り、鬼は人間に勝てない』

明日が保証されている事は今のご時世幸せかもしれない。
けど、終わりがあるからこそ、いつか来るその日まで魂を燃やす事ができる。
終わりがない、ひたすらの無限ループではいつか大切な物までも失ってしまう。
見落としてしまう。
永遠なんて…どこが美しいと言うんだ



煉獄さんがゆっくり立ち上がる。
見るからに重症で、いつ気を失ってもおかしくないのに彼の炎は一層高く燃え上がっている。
そして刀を担ぐと赤々と燃える炎を背負って顔を上げた。
「よく言った小鳥遊少女！俺は俺の責務を全うするぞ！ここにいる者は誰一人死なせない！！」

「素晴らしい闘気だ…それ程の傷を負いながらその気迫、その精神力…一部の隙もない構え。」
ビリビリと煉獄さんから圧が伝わってくる。
「やはりお前は鬼になれ杏寿郎！俺と永遠に戦い続けよう」
猗窩座が叫び、煉獄さんは技の形を取る。
その一瞬、彼に視線を送られた
私は足に今までにないほど力を込めた。
((ドンッ
「！」
胴体、頭に拳を撃ち込む。
ガードされのは頭への攻撃だけだった。
一瞬だけ私の速さが上回ったんだ。
『っ』
だけど最後の蹴りは足を掴まれて止められる。
そして遠くへとぶん投げられた。



隙をつくれ。
煉獄さんの目が言っていた。
吹き飛ばされながら逆さに見た二人
私の影から現れた煉獄さんはもう猗窩座の目の前。
刀は振り上げられている、大丈夫だ、煉獄さんがやってくれる。

…しかし猗窩座はその距離でも技を発動させた。
煉獄さんの攻め一択と思われたが、またもや技のぶつけ合いの形になってしまう
煉獄さんの刀が首へ吸い寄せられるように動いた時…もちろん猗窩座もその事に気づいていた。
拳が煉獄さんへ伸びる
…煉獄さんの方が速かった、刀の方が速く首に到達する、はず









でも土煙で視界を塞がれる直前。
煉獄さんの刀は届いていなかった

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