ごめん ページ12
「ただいまー！・・・あれ？」
韓国でのコンサートから半月
やっとAさんのところに戻ってこれた
だけどおかしい
出迎えてくれるはずの愛しい人は姿を現さない
‘お帰りなさい’の声も聞こえない
もう会社から帰ってるはずなのに…
俺が今日来ることも伝えてある
Aさんだって‘ご飯作って待ってるわ’って言ってくれた
そのご飯の匂いもしない
首を捻りながら部屋の中に進むとAさんはちゃんと居た
ちゃんと居たけど机にかじりつくように仕事をしている
それも今までに見たことも無い集中力
なんだか声を掛けちゃいけない雰囲気
寂しいけどAさんが気付いてくれるまで待つしかないか…
いつ気付いてくれるかなって期待もしながらリビングの定位置に座ってAさんを見つめる
なんか・・・相当疲れてそう
顔色もあまり良くない
仕事、忙しい？
頻繁に連絡を取り合っていたけど
忙しいなんて一言も聞いてない
俺
結構遅い時間に電話したことも何度かあった
長電話だって一度や二度じゃなかった
言ってくれたら…
「キャァ！チャンミン！？」
「やっと気付いてくれた(^^)」
ふと顔を上げたAさんの目に漸く俺が映つる
だけどその目の下にはメイクでは隠しきれないクマが…
「もうそんな時間！？ごめんなさい！ご飯出来てないわ」
「大丈夫(^^)仕事、終わったの？」
「あー…まだだけどもう今日は終わりにするわ」
「良いの？」
「キリがないから(苦笑)」
・・・キリがないほど忙しいのか
でも俺が来ちゃったから・・・
「俺…上に帰ろうか？」
「え？」
「俺が来たせいで中途半端に仕事切り上げなきゃいけないんじゃない？」
もしかして俺との時間が負担になってるんじゃないかって…
あんな集中した姿を見てしまったら、一緒にいたいとか思っちゃいけない気がする
「違うわよ。本当にキリがないだけよ(^^)」
ウソ
いくらキリがないとはいえ、Aさんの性格上そんなにスパッと切り替えられるワケがない
分かっているけど…
「ご飯どうする？今からでも良ければ作るわ…！？」
「ごめん・・・」
キッチンへ向かおうとするAさんを腕の中に閉じ込めた
たった半月だけど、その半月は声と文字だけのやり取りがやっぱり寂しくて
甘えさせてくれるAさんに俺は遠慮なく甘えてしまう
寂しさに勝てなくてごめん
こんな風に甘えてごめん
忙しさに気付いてあげられなくてごめん
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 570人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とんこ - え〜完結ってなってたからシリーズ最初から読んじゃったけどこれひょっとして区切りも着いてないですよね。折角面白かったのに残念。こんな気持ちになりたくなくて完結作品捜して読んだのに (2019年1月4日 8時) (
レス) id: ea70574319 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - ベルギーを称賛ってさすがだね (2018年7月3日 18時) (レス) id: b2dbe2074b (このIDを非表示/違反報告)
純蓮(プロフ) - 千衣さん» ちょっとアホっぽいチャンミンにどんどんにやけちゃってください(笑) (2018年6月30日 9時) (レス) id: a8649ab444 (このIDを非表示/違反報告)
千衣(プロフ) - 純蓮さんの言葉のチョイスが４０代の私にはツボです。『浮かれポンチ』＝この作品のチャミ、当分ツボってにやけるヤバイ人になるな〜 (2018年6月30日 7時) (携帯から) (レス) id: 4037bbf8fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：純蓮
| 作成日時：2018年6月16日 22時
