21story ページ31
『あ、レイ!遅いよー』
「お前が俺を置いてくからだろ」
『う"っ』
ようやくやってきたレイに文句を言うと、正論で返されてしまった。
お陰で女の子らしからぬ声が飛び出す。
『そ、それよりレイ!お風呂早く入っちゃって!ご飯私達が作るから!』
「わかったわかった…っていうかお前料理できんの?」
馬鹿にしてるんじゃなくて、単純に思ったんだけど。そんな表情で見てくるレイ。
…コイツめ。
真顔で言われると結構傷つく。
『で、出来るよ!私だって馬鹿だけどレイ達のお姉ちゃんだもん、なめないで欲しいな』
「ふーん?じゃ、楽しみにしてるよ。お姉ちゃん♪」
『なっ…』
にやりと意地の悪い笑顔を浮かべ、レイは風呂場へと消えた。
…あれ?私、レイより上手く作れる自信ないんだけど。
苦し紛れに吐き出した言葉の重大さに今更気づく。しかし言ってしまったものは仕方がない。
『エマ!アンナ、ギルダ!こっち手伝って!』
腹を括って料理の準備を始めた。
*
「ノア、風呂上がった」
「男子お風呂上がるの早すぎだよ…」
『でもあと少しだから待ってて!』
「ん」
目まぐるしく入れ代わり立ち代わり、キッチンでは料理センスのある女子達(私は除く)の死闘が繰り広げられている。
男子達がもう風呂から上がった事に困惑しつつも正確に分量を測り入れるギルダ、繊細に丁寧かつセンスを発揮させ、確実に美味しい料理を作っているアンナとエマ。
あと補助の私。
濡れた頭をタオルで拭きつつ、レイもすかさず弟妹達が行っている食器の準備を手伝う。
…あれ?私いらない?
「出来たー!」
*
「うわ美味っ」
『え…なんで私料理してないの…?』
「だって危なっかしくて見てられなかったんだもん!」
驚くレイの隣で、エマが私に言及する。
…そうだ、私ちゃんと自分で作ろうとしたのに…
「そうね、手を滑らせて包丁は落とすし、」
「焦って火傷もしちゃってたものね」
続くギルダとアンナ。
「あーあ、お前結局手伝って貰ったのかよ」
『ううーん…』
そんなつもりは無かった筈…なんだけど。
料理は美味しいけれど、少し落ち込む。
36人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ジュリー(プロフ) - みかん星人さん» 了解しました!どんどんコメ来ると嬉しいです!END分岐が多いようなので、別でEND集を作ろうと思いまーす! (2019年3月2日 13時) (レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
みかん星人(プロフ) - コメント失礼します!個人的には2番寄りの6番が見てみたいです...wwもちろん何番でも楽しみですけど!更新楽しみにしてます! (2019年3月2日 12時) (レス) id: 8089ca85b5 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリー(プロフ) - 杏里さん» コメありがとうございます!(泣)了解しました!欲張りさんでもウェルカムなので他の方もコメお願いしますー! (2019年3月2日 12時) (レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
杏里 - 初コメ失礼します。アンケート12がいいです!(欲張り) (2019年3月1日 23時) (レス) id: 4f6b7da3ac (このIDを非表示/違反報告)
ジュリー(プロフ) - コメントお願いします!来たら嬉しすぎて泣きます。来なくても泣きます。(好きなやつだけ書くかもです) (2019年2月24日 15時) (レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ジュリー | 作成日時:2019年1月13日 12時