11story ページ16
上から垂れ下がっているのは、木の根に絡め取られて宙に浮いたまま死んだであろう動物達だ。
『わかってたよ?』
「わかってたんならなんで言わなかった…!」
『そ、そんなに怒らないでよ、怖いなあ』
珍しくレイがまあまあキレている。
自分には何故そんなに怒るのかわからなくて理由を述べた。
『だ、だって…レイも気づいてたと思ってたから…』
「……ふーっ…」
「…ごめん」
何かに気が付いたレイは1度溜息をつくと急に謝ってきた。私は訳が分からなくて混乱する。
『ええ?でも…』
「俺は気付いてなかった…だから俺は…」
「ごめん」
どうやら逆ギレだったようだ。
…でも、私が飛び出していかなければアリシアは死んでいたけれど、アレに気づいた時に話しておけばこんな事にはならなかったのだ。
『…いや、私が悪いよね、ごめん』
「……お前、」
『…え?』
「何時から気づいていた」とレイに聞かれ、《音》と《匂い》だと答えた。
「…音と匂い?」
『うん。花の匂いに掻き消されて僅かだけど死臭がする。あとは…』
再び上を指さす。
『あの子。まだ生きてるよ』
「…本当か?」
『うん、だって息してる』
目を丸くして私を見つめるレイ。
私は無視して続けた。
『…多分、逃げれても1日生き延びるかどうかってとこだし…』
落ちている小石を拾う。
『えいっ』
死にかけている動物の心臓へ向かって投げた。
微かに聞こえていた息が止まる。
『ふー…』
「…殺したのか」
『ん?…殺したよ。逃げても生きられないなら即死がいいよね?』
「それは…」
どもるレイ。
『ほら、そんな事よりさ、早く脱出しようよ』
『根が迫ってきてる』
「…そうだな」
*
あれからエマのお陰でミネルヴァさんの書いた本が脱出後のガイドブックになるとわかり、見事私達は穴から抜け出す事が出来た。
なのにレイと何処と無く雰囲気が悪い。
…どうして?
『ねえエマ』
「なに?ノア」
『私…何か間違ってる事したかな…』
「…ううん」
「ノアは間違ってないよ」
Noah's creation《ノアの設定》→←10story
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ジュリー(プロフ) - みかん星人さん» 了解しました!どんどんコメ来ると嬉しいです!END分岐が多いようなので、別でEND集を作ろうと思いまーす! (2019年3月2日 13時) (レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
みかん星人(プロフ) - コメント失礼します!個人的には2番寄りの6番が見てみたいです...wwもちろん何番でも楽しみですけど!更新楽しみにしてます! (2019年3月2日 12時) (レス) id: 8089ca85b5 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリー(プロフ) - 杏里さん» コメありがとうございます!(泣)了解しました!欲張りさんでもウェルカムなので他の方もコメお願いしますー! (2019年3月2日 12時) (レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
杏里 - 初コメ失礼します。アンケート12がいいです!(欲張り) (2019年3月1日 23時) (レス) id: 4f6b7da3ac (このIDを非表示/違反報告)
ジュリー(プロフ) - コメントお願いします!来たら嬉しすぎて泣きます。来なくても泣きます。(好きなやつだけ書くかもです) (2019年2月24日 15時) (レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジュリー | 作成日時:2019年1月13日 12時