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「……今日もあいつ、来てないのか。」
らだ男先生が健康観察中、ぽそりと呟いた。オレの2個左隣、いつも空いている席に目だけを向けて またすぐ戻した。
何故か、そこにいるはずであった誰かの名前を知らなかった。姿を見たこともない。そもそも名前を知らないのだから 姿なんてもっと知らないか。
…無性に気になる。その姿を、名前を、声を。いつもやったら 学校に来ない不真面目なやつになんて 興味すら湧かないのに。
朝の会が終わったら らだ男先生に聞きに行くか。
「え、知らなかったの？そっかー…。まぁコネシマだもんな。知らないのも無理ないか！」
「おい！からかうんちゃうぞサルゥ！はよ名前言えや！！」
「は〜！？なんだって〜〜！？」
こいつ、煽ってきよった…！！ただ名前聞きたいだけやのに…！！！！
「…はぁ。あー、あそこの席のやつは…A A。女の子。最初は来てたんだけど、1ヶ月くらい前から全然来ないんだよね。電話しても出ないし…大丈夫かなぁ……」
「…ハ？」
聞いたことのある名前に、思わず声が漏れる。
A……A…？
"『わたしはね、Aっていうの。ままがつけてくれた たいせつなお名まえよ』"
へったくそな笑顔で自己紹介する声が頭蓋に響く。もしかして、昨日公園で会ったあいつか？いや、違うかもしれない。同じ名前なだけの、知らない女かもしれない。
なのに、頭に響くのはあいつの声。慈しみの目で遠くを見つめるAに釘付けになった。
だんだんと心臓が速く鼓動する。息も短く、薄くなっていく。
「もしかして友達だった？」
「ッ、いや……そんなんやない。別に…」
「ふーん…」
ただの… ただの、顔見知りや。
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まる麺 - タイトル回収が天才すぎです、！面白かったです！ (7月19日 14時) (
レス) @page49 id: 81fa0833c9 (このIDを非表示/違反報告)
戦慄(プロフ) - わあああ…すっごいすきです…どのお話もとっても素敵です…！ (2023年1月3日 12時) (レス) id: e831999098 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さき。 | 作成日時：2022年8月23日 9時
