サンドイッチ ページ7
おそるおそるサンドイッチを口に入れるA。
一口食べ、もう一口食べ、どんどん食べるスピードが早くなって行く。
「お、おいしい…!」
見ているこちらも満腹になるようなわんぱくな食べっぷりに、こっそり様子を見ていたシャッキーが嬉しそうに現れる。
「うふふ、お姉さんが作ったサンドイッチ、気に入ってもらったようで何よりだわ。」
「まあこのおばさんの料理はそこそこ…」
「誰がおばさんですって?」
「痛だだだだだっ!!」
うっかり失言してしまい、頬をゴムのように伸ばされる。
遠慮がないなこのおばさんは。
「ぷっ……あははは!!」
そんな我々のやり取りを見たからか、緊張が抜けたように笑い始めるA。
「キミ、少しひどくないか?」
「おっさんは黙ってなさい。…あら、いい顔になってきたじゃない」
外の雨の音にも負けないくらい笑った彼女の顔は、つきものが取れたようにスッキリとしている。
「あははっ!だって、じいちゃんの顔…ぷぷぷ」
「ふふ、まああの顔見たら…ねえ？」
「キミ初対面なのに本当に失礼なやつだな。そしてシャッキーも便乗するんじゃない。」
まだ笑いを抑えきれていない彼女が、やっと安心できると感じたのかふぅ、と息を吐いてぽろりと涙を流す。
何があったのかはわからないが、やはりこの小さな背中に背負えるものではないのだな。
そう思った刹那、辺りの雨雲が一斉に消える。
比喩などではなく一瞬で。
雨の後では眩しすぎる太陽が辺りをポカポカと照らし、先程の雷雨が無かったかのように振る舞っている。
…考え過ぎかもしれない、偶然かもしれない。
だが完全に否定できない。
窓の外からAへと視線を移す。
Aは泣いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 724人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まっだこ(プロフ) - しーちゃんさん» コメントありがとうございます(人 •͈ᴗ•͈)楽しんで頂き嬉しいですやったー!これ見てめっちゃやる気出ました感謝です!! (2022年10月10日 21時) (
レス) id: 34c9deb42a (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん - いつも楽しませてもらっています！更新頑張ってください！ (2022年10月5日 19時) (レス) @page37 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
まっだこ(プロフ) - たろ。さん» コメントありがとうございます🙇更新遅くてすみません…たろ。さんの楽しみにねっていれば嬉しいです! (2022年6月19日 13時) (レス) id: 6f670d7073 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2022年6月1日 14時) (レス) @page26 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
まっだこ - みーさん» コメありがとうございますm(_ _)m私もエースの所は原作もアニメも号泣しました。この話は結構時間をかけて考えたので感動していただき嬉しいです!応援ありがとうございます!頑張ります! (2021年10月12日 21時) (レス) id: 6f670d7073 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まっだこ | 作成日時：2021年8月10日 10時
