蛇姫 Love→泣き虫 ページ36
「A!私達はもう出るけどどうする?」
「最後のおふろだしゆっくりはいりたい!」
「しょうがないわね…のぼせちゃ駄目だからね!」
すっかり浴場が気に入った私は、最終日に長湯していた。
アマゾン・リリーのお風呂って凄いんだよ。
温泉から露天風呂から薔薇風呂からジェットバスまで何でもあった。
そして油断してのぼせていると、流れるプールならぬ流れるお風呂で、大人なら入れない鉄の柵をすり抜け、どこへ行くのかもわからないまま意識を失ってしまったのである。
そこからどのくらい流されていたのかはわからないが、ふと気づくとライオンの口から放り出されていた。
そして入浴中のハンコックがいた。
背中にはシャボンディ諸島でよく見る模様。
ジイさんにはじめに教わったこと。
『天駆ける竜の蹄』だった。
「……!A…見てしもうたか。」
当時の私はその模様の意味をしっかりと理解していた。
「よりによってお主が………っ…まあ良い。」
ハンコックは私に見られたにも関わらず、バスタオルを巻いていた。
それだけ憎く、消したい模様だということも理解していた。
「これを見たお主には…死んでもらう。」
ハンコックは私に背中を向け淡々と話していた。
何故かはわからないがその小さな背中を見て。
私は、
「…最後に何か遺言があるのなら……!」
その背中を、ぎゅーっと抱きしめた。
==============
「A!久しぶりね!!相変わらずその潤んだ瞳がきれいね〜」
「上で見てたわ!姉さんをぎゅっと抱きしめた時と変わらず、キュートでイケメンで美しかったわよ!」
「サンダーソニア!マリーゴールド!久しぶり!!」
あの後、この2人が駆けつけた時ハンコックも私も泣いていたそうだ。
泣きつかれて寝た私達を運んでくれたのも2人である。
次の日にちゃんと、この三姉妹に何が起こったのかを聞いて、私のことも話して、みんなで泣いた。
私も普段の『涙を流す』とは違う、『本気の涙』だったことを覚えている。
そこからだと思う。この三姉妹…特にハンコックからの好意が段違いに跳ね上がったのは。
「サンダーソニア。映像電伝虫は?」
「抜かりなしよ。」
「うむ。流石じゃ。」
あれから友情でも無く、恋愛でも無く、家族愛でも無いとても大きな『好き』を向けられることとなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 724人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まっだこ(プロフ) - しーちゃんさん» コメントありがとうございます(人 •͈ᴗ•͈)楽しんで頂き嬉しいですやったー!これ見てめっちゃやる気出ました感謝です!! (2022年10月10日 21時) (
レス) id: 34c9deb42a (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん - いつも楽しませてもらっています！更新頑張ってください！ (2022年10月5日 19時) (レス) @page37 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
まっだこ(プロフ) - たろ。さん» コメントありがとうございます🙇更新遅くてすみません…たろ。さんの楽しみにねっていれば嬉しいです! (2022年6月19日 13時) (レス) id: 6f670d7073 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2022年6月1日 14時) (レス) @page26 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
まっだこ - みーさん» コメありがとうございますm(_ _)m私もエースの所は原作もアニメも号泣しました。この話は結構時間をかけて考えたので感動していただき嬉しいです!応援ありがとうございます!頑張ります! (2021年10月12日 21時) (レス) id: 6f670d7073 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まっだこ | 作成日時：2021年8月10日 10時
