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「 雨が止むには半刻は掛かるであろう。お主が拙者を支えながら行くにも道中のヒルチャールが邪魔をしに来るに違いない。 」
『 剣士さんは雨が止む時間が分かるのですね。 』
「 拙者は耳が優れている。風が山を越える音、雲が散りゆく音…神から貰った万物の恩恵を誇りを持って行使しておる。 」
『 …だったら何故、』
「 何故、怪我を負っているのだと聞きたいのだろう？拙者は神の目を持ち、耳も優れている流浪武士でござるが…雨宿りしに洞穴に入ったと思えば同じ境遇の
『 御免なさい、私も軽率な発言でした。 』
「 気にしておらぬ。こうして助けて貰った恩人に頭が上がらないのは此方でござるよ。」
「番傘を持ちながら拙者を璃月に行くのも辛いであろう、ならば晴れるのを待つのみ。」と淡々と言葉の羅列を並べる剣士さんは話し方を聞けば大丈夫そうな声をするも、状態はどんどん悪化している事には違いなかった。止血が上手く出来てなかった為に厚い生地である着物が一面赤色にへと染まりつつあったので、自身の片腕の生地をまた剣士さんの刀で切ろうとする。
剣士さんは「拙者の為に…剣士として本当に面目無い。」と申し訳無さそうにするのを大丈夫です、と軽く微笑みながら返す。本格的に此処から出なければ剣士さんの命が危ない。
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『 出来れば…私、璃月港に行ったことが無いので道案内して下さると嬉しい…です。余り人と長く話すのも慣れていなくて… 』
「 承知致した。身体は動かなくとも、口だけならば拙者も動かす事が出来よう。 」
『 ありがとう…ございます、では早速。璃月港に行きましょう。』
「 …？まだ雨が降って居るであろう。 」
『 …"今から晴れるので大丈夫です"。刀は私が持ちます、私の首に腕を… 』
「 ─────────お主、何を。 」
『 "偶然"、晴れましたね。』
「 …… 」
『 確り、掴まってて下さい。 』
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私を恩人と言う視線は変わらない物の、不思議な現象を目の当たりにしたと言わんばかりに目を丸くする剣士さんを横目に雨上がりの洞穴を出る。雲の間から見える光芒が辺り一面の草花を煌めかせるように輝く。
未だ知らぬ璃月港に行く期待と、それまでの道程で出会す可能性のある危険による不安を胸に少しずつ、ゆっくりと歩み出した。
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ふわな - とっても面白いです！これからどうなるのかとってよ楽しみです！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年6月22日 0時) (
レス) @page9 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップルのバナナ - こんにちは！！（？）凄く好きだっ！！ってなりました！これからも頑張ってください⭐️ (2022年6月17日 20時) (レス) @page2 id: 1ffb1529af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2022年6月17日 7時
