■少女、家を発つ。 ページ3
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『 おばあちゃん、あのね。私は…その、まだ外に出るのが怖い。 』
『 でもね。少しずつ、少しだけ。外に出て空気を吸う…とか、近くにあったミントを拾ったり…頑張ってるの。 』
『 教えて貰った知識を元にね、自分で生きていける方法を考えてるの。…でも、最近は食べるものが無くて…おばあちゃんはいつも何処で食べ物を手に入れてたの？ 』
『 おばあちゃんは…歴史とか、テーブルマナーとか。女性としての立ち振る舞いは教えてくれるのに肝心な外の世界については一個も教えてくれなかったよね。 』
『 モラ、の使い方も分からないし。…おばあちゃん以外の人とも、会った事無くてちょっぴし…怖いなぁって。 』
『 …へへ。晴れの日はヒルチャールとか活発だから…私が出掛ける時は必ず雨が降り続けるように願ってるの。"雨が降りますように"って。 』
遺影の近くには最近摘んだ清心や琉璃袋を供えていた。少しでも安らかに眠れるようにと、成長する私を見守っててくれとの願いを込めて心の中で祈願する。
───おばあちゃん、今日も行ってくるね。
軽装が家に無かった為に、おばあちゃんが昔着ていたとされる稲妻産の着物を身に纏い、番傘をさして歩く。亡くなってから一週間、私は家の外へと足を踏み出す事を辞めずに一歩、また一歩と地図を片手に前へと進む。
璃月までの距離はまだ程遠いけれど、昨日よりは更に前に。次の日はその更に前に進むようにと、家から歩く距離の幅を広くして行った。
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『 …にしても、今日はヒルチャールの数が少ない。 』
昨日は彼処の雨宿り出来る集落で仲つむまじい様子で踊っていたり休憩していたりするヒルチャールの集団も、跡形も無くいなくなっていた。食料調達の為にも移動したのなら、この先に進むのは断念しようかな…と考えを張り巡らしていた。
私には天候を操るという不思議な能力はあれど、私はスライムすら倒すことが出来ないただの一般人と殆ど代わりがないのだ。護身用に小刀はもっていても、いつ自分が怪我するのかなんて分かりえなかった。
昨日より結構前に進む事も出来たし、今日は身の安全を期して家に帰ろうとした瞬間─────────────。
─────ちりん、と鈴の音がなるように何処からか助けを述べる声が聞こえた気がした。
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ふわな - とっても面白いです！これからどうなるのかとってよ楽しみです！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年6月22日 0時) (
レス) @page9 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップルのバナナ - こんにちは！！（？）凄く好きだっ！！ってなりました！これからも頑張ってください⭐️ (2022年6月17日 20時) (レス) @page2 id: 1ffb1529af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2022年6月17日 7時
