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『 おばあちゃん、 』
目と鼻の先にある遺影に向かって掠れた声を吐いても、その遺影に写る叔母が私に返してくれる訳もなかった。
──────街並みから遠く離れた場所にある民家で暮らしていた夏。
私の叔母が突如、寿命によって天命を果たしたのであった。不慮の事故でも何でもなく、唯寿命が来たから死んだ。それだけなのに。
この女、Aは産まれてきてから今日という今日まで。礼儀作法やこの世界の歴史全てを叔母に教えて貰ってきたのである。それに加えて一切、古びれた民家から外出する事は許されず、買い出しも全て叔母が行っていた。
それ故にか地理には物凄く疎く、窓から眺める景色も1面山、山。当然出れる訳もなく、外の世界は恐怖に満ちているから出るのはお辞め。婆やが全てAの為にするから、大人しくしとき。と小さい頃からの伝えで外に出る事はままならなかった。
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『 おばあちゃん、わたし…どうすればいいの、かな。』
縋るように聞く姿は幼い子供同然だった。全て叔母に任せて居たものの、その叔母が亡くなってしまってからどうしようも無い。
そもそもの話だ。何故彼女が"外出をしてはいけない"のか？…という事にはちゃんとした理由があるのだ。
彼女の両親は行方不明、彼女自身が自我持ち始めた頃には叔母に引き取られて居た。神の目は所有していない、唯極普通の一般女性…では無い。彼女は特異体質の持ち主で、神の目は所有して居ないものの──"天候を瞬時に操れる"という摩訶不思議な能力が身に付いているのである。
この能力は他人に知られないように心掛けろ、と叔母から言われるけれども、外出が出来ないためにその真意は分からなかった。
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──遺品、整理しなきゃ。
ふと頭に過ぎった遺品という言葉の羅列を何回も頭の中で復唱しながら、いつも叔母が使っていた棚から遺品を取り出す。私との写真は余り少ない物の、誕生日に贈っていた手紙が何枚か大切に残されていては大事にしてくれてたんだ…と涙が再度溢れ出てくる。
そんな時間も束の間。私が書いたもので無い一枚の手紙がひらり、と落ちる。それを手に取れば"遺言"と書かれた文字が目に見えた。
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"愛する孫娘へ"
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ふわな - とっても面白いです！これからどうなるのかとってよ楽しみです！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年6月22日 0時) (
レス) @page9 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップルのバナナ - こんにちは！！（？）凄く好きだっ！！ってなりました！これからも頑張ってください⭐️ (2022年6月17日 20時) (レス) @page2 id: 1ffb1529af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2022年6月17日 7時
