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SIDE:A
坂田に彼女が出来てからも、特に変わったことは無かった。
変わったことは、絢香ちゃんとも一緒にいるようになった、ということ。
そして数日一緒にいて感じたこと。
―――多分、あの子と、私は合わない。
今日も、私と坂田とセンラくん、そして絢香さんとで、お昼を食べる。
「坂田、それ1口ちょうだい」
「A、これ俺の好物って知ってて言っとるん?」
「そう」
「意地悪星人やん!良識的な一口で頼むで!」
「はいはい」
坂田のメロンパンを大きく1口かぶりつく。
「おいおいおい良識的なって言ったやん!もう!Aチョココロネあるやん!」
「ずっとチョココロネ食べてたら飽きるじゃん」
「そりゃそうやけども!!!」
「Aちゃんええ食べっぷりやで、よくやった」
「でしょ」
そう会話していた時。
隣でジャムパンを食べ終わった絢香さんが口を開いた。
「Aちゃん、それちょっと酷いと思う…」
「……え、」
「で、でも、坂田くんお昼ご飯ほぼ無くなっちゃうよ……?」
「……そ、そう、だけど――――」
「……はは、坂田やから!ええんやで、な!」
「おいセンラそれどういうことやねん!お前の焼きそばパン寄越せ!!!!」
「おい待て坂田!来んなや!メロンパンなんかよりも価値が違うねん!来んな!」
少し空気が悪くなったが、センラくんが軌道修正してくれたお陰で助かった。
「……やっぱり苦手。」
そう呟いて私はチョココロネを再び食べ始めた。
ちら、と絢香さんの方を見たら、一瞬目が合ったような気がして、すぐに逸らした。
この”すぐに逸らした”ことが、後に1つの騒動のきっかけになるなんて、私は思ってもなかったのに。
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柚子(プロフ) - いい感じにすれ違って行ってますね(?)まぁ楽しみということです!頑張って下さい (2020年4月11日 22時) (レス) id: f5a2d726a8 (このIDを非表示/違反報告)
絵が上手くなりたい(プロフ) - うわぁ…気持ちは分かるけど絢香ちゃん腹黒だぁ…坂田さん、複雑な気持ちだろうな…。更新待ってますね (2020年4月11日 0時) (レス) id: e48c7240eb (このIDを非表示/違反報告)
きほん(プロフ) - はじめまして、とてもキュンキュンしながら読ませていただいています!ドキドキハラハラキュンキュンで、個人的にはどちらのオチも見てみたいですが、どうなるのかとても楽しみです! (2020年4月9日 0時) (レス) id: d19256ebb3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ - 年下組が夢主ちゃんのことでバチバチ(?)なっているのがキュンとしました。あと、作者様の書く文がとても好みです!その文才を私にも恵んで下さい…長文失礼しました。 (2020年4月3日 12時) (レス) id: 5d83f022ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃけ | 作成日時:2020年3月30日 0時