私、また復活します。【歌い手】

Another 二人がいいのに ページ16

Side:折原



「…はあ、なんでクリスマスなのにこんな街中に人がいるんですか」

「…クリスマスやからねえ」


カップルたちを恨めしそうに見つめているようだ。


「けっ、カップルなんて家でイチャイチャしてれば良くないですか、
あーあ、リア充なんて全員爆発しちまえ
クリスマスなんてもう無くなればいいのに！」


肩をすくめながら、げえ、と心底嫌そうな表情になる古池さん。

ま、こういうとこも嫌いじゃないんだから毒されてるなあ、なんて感じる。



「…もう、お前ほんまにひねくれてんなあ、
…あ、そや、いいこと思いついたで！
せっかくのクリスマスやし、一緒に呑まへん？
チキンでも買って。」



この機会にでも、ふたりきりに。

いつか、古池さんのことを、
ちゃんとA、
…は恥ずかしいからAさん、あたりで
呼べるような日が来ればいいな、

それがとりあえずの目標やな。




――そう思ったのもつかの間。



「おお！先輩天才ですか！！誰呼びます？！

うーん、とりあえずひきフェスメンバーでいいですかね、うーん、」



悩む素振りを見せながらスマホを見つめる古池さん。

…こっちの本心も分からないくせに全部潰しやがって、このやろ、
そう心の中で悪態をつく。




「…ははは、」

「なんですか不服ですか、もっと人呼びます？」

「もー！ちゃうから！！
ほら！！早く呼べや！！はよ！」


「ちょ、叩かないでくださいよ、わかりましたよ！！はい！LINEしましたから！」


そうやってLINEの画面を見せてくる古池さん。




この想いはいつ伝わるのか、




「？
何ぼーっと突っ立ってんですか、早く行きますよ！先輩！」

「はいはい」




…はあ。

まだまだ先は長そうだ。

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