私、悪いことしたっけ。【歌 い 手】

営業 ページ10

Said:古池


折原さんとLINEを交換した時に、私は冷や汗をかいた。


見たことあるアイコン。


それも、3年前、”マツリ”時代に。


とりあえず、その場は何とかしのげた。


…この、砂時計のアイコン。


センラさんだ。

間違いなく。


確かに、一瞬だけ、声が似てると思った。

でも流石にこんな偶然あるとは思わなかったし

3年もたっているから勘違いだと思ったのだ。



あっちは私の事をわかっているのだろうか。

…マツリの事を、どう思っているのだろうか。

悪いイメージだとしたら嫌だな。


そんなことを考えているうちにも、食べていたおにぎりは無くなって、時間もすぎて。


折原昼、食べ終わりました?
折原会社の前で待ってますから、食べ終わったら来てください

と、連絡も来た。


食べ終えたので今から向かうという旨を伝えたら、
可愛らしい猫のOKのスタンプが送られてきた。


会社の前に着くと、折原(センラ)さんが小説を読んでいた。

流石イケメン、絵になる。


「おっ、来たな。
んじゃ、行こか」

「はい、行きましょうか！」

「今日は○○商事の○○さんって人に会うんやけどな、それで… 」


と、もろもろ説明を受ける。


営業している折原さんの隣で、
たまに相槌を打ちながらやり過ごす。

するといつの間にか終わっていたようで。


「ふぅ、Aさん、お疲れ〜！
初めての営業、どうやった？」

「緊張しましたが、勉強になりました！
今日はありがとうございました！」

「ふふ、しっかり者やねえ、
先方からも気に入られてるみたいやで、
良かったなあ。

あ。あと、これ。
折原先輩の奢りやで」

と、おしるこを渡された。


「ありがとう、ございます…
お、おしるこ…？？独特なチョイスですね」

「寒いやろ、な！！
寒い時はおしるこやで、おしるこ。
おしるこはええで、栄養満点であったまるしな！」

「おしるこ推してるんですね」

「そりゃあもう。
ペンライト振ったるでおしるこに。」

「それどんなシチュエーションですか」


「細かいことは気にせんでええねん
…さて、今から会社戻るけど、古池さんはどうする？
一緒に休憩がてらお茶でもします？
奢りですよ」

「そうですね、ではお言葉に甘えて！」


「じゃあ、あそこの喫茶店でええ？
あそこのケーキ、美味いねんなあ」

「そうなんですね 、では行きましょう！

ふふ、甘いものお好きなんですね」

「悪いか」

喫茶店→←営業前に

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す