misbehave Ⅱ (ページ30)

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〜廉 side〜

初めて仕事でミスをした。

結構大口の取引先やってめっちゃ冷や汗でたし、ホンマに終わった思った。

けど、Aさん全然焦ってへんし、むしろ俺の事をからかえるくらい余裕で、指示をしてパパッと準備を整えていた。

Aさんは俺にこれからも今まで通りにすればいい。そう言ってくれた。

Aさんがこんなこと言うなんて、信頼してくれる証拠だと思うし、何より認めてくれている。っていう自信にもなった。

｢とりあえず、納期も間に合いそうだしこれからは進捗具合をちょこちょこ確認すれば大丈夫。永瀬廉、今度奢りな？笑｣

はぁー、疲れたー。うわ、3時間とかまじかよ…、どんだけ長々話せば気が済むんだあのおっさん。

きっつ、、、笑
｢了解っす。ほんまにありがとうございました。｣

｢まだ落ち込んでんの？永瀬廉にもそんな感情あんだね笑｣

ケラケラ笑うAさんはマジで意地悪くてだんだん腹立ってきて落ち込んでるのがアホらしくなった。

｢俺をなんや思っとるんっすか？俺やて人並みの感情持ち合わせとるわ！｣

｢ふふ。どうだか笑ほら、そろそろ会社着くから降りるよ。｣

Aさんなりの励まし方なんだろうな。ほんまに不器用っつーか、可愛げないやり方っつーか、でも、そんなAさんに救われていたんだ。と、改めて感じた。

｢Aさん！！！！今日はほんまにありがとうございましたっ！！！これからもご指導よろしくお願いしますっ！！｣

タクシーを降りて先を行くAさんの背中に自分でも馬鹿やなって思うくらいのボリュームで叫ぶと。うっせぇ永瀬廉！！って叫ばれた。笑

駆け寄るとバシッと頭叩かれてお前は常識を知らんのか！？次ミスっても助けないからな！！！って言われてしまった。笑

多分助けてくれるとは思うけど笑
いや！ミスはアカンわ…。気をつけよ…。

｢早くして！帰るよ！｣

やべっ！

｢あっ！はい！すみません！！｣

それじゃあ、明日。とハラハラ手を振って退社するAさんの背中をカッコいい人やな…。って思った。