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伯拾伍頁─双ツノ黒ト 3─ ページ11

有り得ない速度で飛んできた大岩。

それにぶつかった黒髪の男性が遠くまでふっ飛ばされる。

大量の土埃が宙に舞う。

視界は悪いが何者かが上に飛ぶ影を確認出来た。


銃を携えていた敵兵士がそれに向かって銃弾を放つ。

しかしその影はあろうことにも(てのひら)でそれを受け止めた。

鉛の弾は手を貫通することはなく、触れた瞬間に力無くその場に落ちる。




「最初に云っとくがなァ、この(ゴミ)片したら次は手前だからな?」




隠す気の無い不機嫌な声の主を耳で辿り、眩しい光が消えた空間に顔を向ける。

この僅かな間で倒した複数の敵の上に少し小柄な一つの黒い人影。

少しずつ月夜に目が慣れてくるとそれは次第にはっきりと目視出来た。


黒い帽子に黒の外套。

全身に黒を纏った彼がそこには居た。




「あーあ、矢っ張りこうなった。だから朝からやる気出なかったのだよねぇ...」

『割りと予想しやすい展開ですからね。最後の大仕事、一緒に頑張りましょう』




隣で嘆く太宰さんに、私は彼の心中(しんちゅう)を察して励ましの言葉を贈る。

まぁ最も、最後の大仕事になるかは今後の戦況次第なんだけど。




「バカな!こんな奇襲、戦略予測には一言も...」




ハンチング帽を被った金髪の男性が予想外の状況に焦りを見せる。

あれがあの人の異能力なのだろうか。

彼の掌からは植物が急激に成長していた。

あの葉は...葡萄?




「はい、悪いけどそれ禁止」




どのような異能なのか正確に判る前に太宰さんが彼の肩に触れて無効化する。

一瞬にして木が消え去るのを目撃した彼は当然の事ながら目を丸くさせた。




「あぁ、最悪だ」

「それは此方の台詞だッ!」




その声と同時に森の奥深くへと飛んでいく葡萄の彼。

一瞬何が起こったのか判らなくなりそうになるが、中也さんが彼を蹴り飛ばしたという簡単な話だ。




『あの人、全身骨折してないと善いけど』




そんな私の労いの言葉は妙に冷たく感じる夜風に静かに掻き消された。

伯拾陸頁─双ツノ黒ト 4─→←▽


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煉華☆(プロフ) - 狼楼さん» 了解です、合っていて良かったです(*^^*)承認しておきますね。最新パートまで読んでいただきありがとうございます!過去編共々頑張っていきます! (2019年6月15日 17時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» 最新パートまで読ませていただきました!これからの有島ちゃんが楽しみです! (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» 狼楼に直しときました…汗 (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» あ!あってます!直すの忘れてた…汗 (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 狼楼さん» すみません、今「炎化狼」という名前の方の申請をもらっていたのですが、狼楼さんでしょうか?名前に狼とついていたので質問させていただきました。 (2019年6月15日 14時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:煉華 | 作成日時:2018年3月6日 7時

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