乗り越えろ、過去を。【2】

▽救援 ページ7

スコープside





…これは、俺のミスだろうか。



巨大なナメクジがら逃げ惑うメンバーたちを、どこか他人事のように眺めていた。






……もっと、慎重に戦うべきだった。


もっと、頭を使わなくてはいけなかった。





俺がリーダーとして仕切るのであれば、なおさら…





ソニック「スコープ！危ないッ！！」





ソニックハンターの大きな声に我に帰ると、ナメクジが俺めがけて飛びかかってきていた。





スコープ「やべっ…」





慌てて避けるも、巨大な塊からそう簡単に逃げられるわけもなく…





…間に合わないっ…！



大きな影が、ゆっくりと俺を飲み込んでいく＿＿







.







「走れッ！！」



スコープ「え…？」





背後から聞こえた、声。





スコープ「こま、んだー…？」





そこにいたのは、コマンダーだった。



肩で息をしながら、巨大なナメクジを二本の刀で受け止めている。





コマンダー「何をしている！

死にたいのかッ！？」





死という言葉にビクン、と肩が揺れ、ほぼ反射的に走り出した。





コマンダー「ッチ…」





なんとか巨大な影から抜け出した直後、ダンッ！と大きな音。



思わず振り返ると、コマンダーがナメクジに押し倒されているのがわかった。



背中を地面にくっつけながら、右足…義足、だったか。



義足と二本の刀で、なんとか潰されないよう、ナメクジを押し上げている。



二本の刀だけでは力負けしたのか…？






…あ。そういえば。


コマンダーは…まだ。


ドクターの腕を振りほどけないほど…弱っていたんだ…





スコープ「おい、「来るなっ！」





駆け寄ろうとした瞬間、それを察したコマンダーが先回り。



情けないことに、ピタリと体が動かなくなってしまって。





コマンダー「…早くしろっ、ドクター！」




…え？ドクター？




ドクター「ちょっと待ってもう少し…



…よし、行くよー！」





バッシャーンと、水しぶきがあがる。



見れば、コマンダーの後を追うように現れたドクターの手には、大きなバケツが。



…水？





ラピッド「…あれ？

小さくなってねぇか…？」



スコープ「ぇ…」





ラピッドファイアーの言う通り、巨大だったナメクジが徐々に小さくなっていった。





コマンダー「っりゃあ！」





ちいさくなった分、押さえつけられていた力が弱くなったのか…



コマンダーがナメクジを跳ね除け、脱出した。

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