乗り越えろ、過去を。【2】

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バレットside




ファルコン「…実は俺、ちょっとだけ意識が残ってて。」



バレット「え？」



ファルコン「ターゲットから遠い場所にいたのが幸いして、効果が薄くなってたんだと思う。


コマンダーに声かけられて、なんとか目覚めたっていうか…


正直、返事もできないくらい、眠気がやばかったけど…



でも、あの時のコマンダーの様子を、うっすら覚えてるんだ。


なんつーか…『意に反して』って言葉がぴったりだと思った。」



バレット「…あの体勢も？」




両膝をつき、手を後ろに組み……一見すれば、殴ってくださいと言わんばかりの、あの体勢も…？




ファルコン「うん。本心では嫌だったと思う。

でも、アイツに強要されて…言われるがまま…」



ラピッド「一体誰なんだ、アイツは。」





ラピッドファイヤーがイラついたように舌打ちをする。





ギーク「大事な研究データを盗んで逃げ出した。


コマンダーに、そう言っていたね。」



スコープ「研究データ？

…以前、どこかの研究施設にでもいたのか？」



ソニック「うーん…そんな話、聞いたことないけどなぁ…」



ドクター「そもそも自分のことをほとんど話さないからね。


…でも、コマンダーの過去に関わっていることは、まず間違いないと思う。

いい関係じゃないことも、明白。


ただ…詳しいことは、コマンダーのみぞ知るってとこかな。」



ファルコン「…いつも涼しい顔してるけど。

一体どんな過去を背負ってんだろうな。

こんな華奢な体で…」




ファルコンJrが、そっとコマンダーに手を伸ばす。




くしゃり。


優しく撫でられた髪。




いつも誰かが体に触れようとすると、「触るな」と拒んでいたから…



なんだかその光景が、すごく新鮮だった。

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