切り開け、未来を。【1】

▽vsハチ ページ12

ファルコンJr.side





コマンダー「…(ｸｲｯ」




準備を済ませ車へ向かうと、すぐに顎で乗るよう指示される。



一瞬イラッとしたけど…




…約束、だからな。


俺は黙って指示に従った。





コマンダー「…今回のターゲットだ。

よく読んどけ。」





乗り込んだ後すぐ出発する車。


運転席のコマンダーから、なにやら資料を渡される。





ファルコン「…ぅわ、なにこれすげぇ…

…ハチ？」



コマンダー「そう、今回のターゲットは、ハチの特殊感染体だ。」





資料には、大きなハチの絵と、その周りにびっしりと細かな書き込み。





ファルコン「これ、全部コマンダーが集めた情報なの…？」



コマンダー「それもある。」



ファルコン「それ"も"？」



コマンダー「…、

…大半は、盗んだものだ。」



ファルコン「盗んだ！？…どこから？」



コマンダー「…俺はもともと、"あちら側"の人間だからな。」



ファルコン「あちら側って…？」



コマンダー「…これ以上の私語は慎め。

置いてくぞ。」



ファルコン「…ごめん。」





なんか、うまくごまかされちゃったなぁ…



なんて思いながら、渡された資料を眺める。





『羽…案外簡単に切れる。巨大なため、効率的に羽を壊すには…』


『動き…素早く飛び回る。動きは複雑で読みづらい。黒いものを標的にする習性を持つ。戦闘時には…』


『尾…鋭いドリルのような針が付いている。また、針には猛毒が付いており…』




ファルコン「…猛毒！？」



コマンダー「そうだ。

一瞬触れるだけで、普通の人なら10分と持たず死ぬ強力な毒だ。」



ファルコン「っ！死…」



コマンダー「…せいぜい気をつけろよ。」



ファルコン「…。」



コマンダー「ところで。

囮役と攻撃役なら、どちらがいい？」



ファルコン「えっ…と、、…

囮役はちょっと…」



コマンダー「じゃあ攻撃役を頼む。

俺が敵を引きつけるから、その間に後ろから仕留めろ。」



ファルコン「ラジャー。」



コマンダー「…よし、着いた。

…行くぞ。」

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