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脳が、こっち、と知らせる。
その声に従ってトスを上げる。長さも、高さも全部、スパイカーの手に吸い寄せられるみたいに思った通りの位置。自然と上がる口角を抑えることはできない。
ボールがコートに叩き付けられた。
「ナイスキー」
「ッシ」
スパイクを決めた一静とグータッチをする。同時にゲームの終わりを知らせるホイッスルが鳴った。得点板は27-29と、俺たちがセットを取ったことを示していた。
「あ、やべ」
膝の力が抜けへたり込みそうになるのを、すかさず一静が支えた。
「危ね。ギリだったな」
「割りかし保った方だろ」
タイミングを考えてタイムアウトを2回使った結果、1セット丸ごと、しかもデュースでも保った。俺の体力を思うといい方だ。
「だな。まぁレシーブがよかったのもあるな」
「それはマジみんなに感謝」
「いきなりBボーイ感出すな」
ふざけて拳を掌に合わせて見せると、一静は笑みを深めた。それが嬉しくて、俺も笑ってしまう。
「堂島」
「あ、すみません。」
「よく保ったな。ストレッチしとけ、次はまた記録頼むぞ」
「はい」
溝口さんが一静と反対の肩を支えて、俺を立たせる。
「にしても、ホントにお前は無茶するな」
「そんなに無茶してました？」
「自分からスイッチ切れないようにしてたろ？それを無茶って言わないでなんて言うんだよ」
苦笑いしながら、コートから少し離れた床に俺を座らせた。そのまま身体を倒して、ストレッチを進めていく。
「役に立つなら、どんな方法でも取りますよ」
「あのなぁ」
呆れて雑に頭を掻く溝口さんを横目に、身体を起こす。ミーティングが終わったのか一静たちが揃ってこちらへ来た。
「大丈夫か？」
「うん。まだいける」
「今日はあと1ゲームやってお終いだってさ！」
「帰りどーする？ラーメン？」
「今日は花巻の奢りか」
一静からドリンクとタオルを受け取って、一気に飲む。また一静に頭を拭かれる。
「自分でできる」
「ヤダ。俺がやる」
「なんで」
「かわいいから」
「どれ」
俺と一静のやりとりに岩泉が割り込んできた。一静は「定員オーバーだから」と岩泉から俺を隠そうとする。
「岩ちゃんもめげないねぇ」
「いつになったら諦めんだろな」
「お前らまとめて黙ってろ」
いつもの雰囲気だ、とひとり笑ってしまう。俺の思っていることに気が付いた一静も、同じように笑う。
「楽しかったな」
「な」
久々に一静とバレーをした。中学の時より、ずっと自由だった。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！及川も花巻も友達思いだと思うので、嫌がってる堂島を連れていった先輩に嫌悪感示しそうだなと、この展開にさせていただきまました！なかなか松川夢ってないので、自分のためにも頑張ります！笑ありがとうございます！ (2022年8月11日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 展開が！！最高すぎます！！松川だけじゃなく花巻達まで不快に思ってる感じ本当に最高です...たくさん更新してくださるのでとても助かってます、これからも頑張ってください！^_^ (2022年8月11日 3時) (レス) @page5 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年8月9日 11時
