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俺の言葉に一静と花巻は顔を見合わせた。
「大会近ぇんだなーって」
「それだけ」
な、と言い合って、揃って俺を見る。
「それならいいけど、変に気張んなよ」
「花は大丈夫だな」
「まーな」
花巻の家の前で「じゃあな」とひと言告げて真っ直ぐ通り過ぎる。繋いでいた手の甲を一静が指先で撫でた。
「なに？」
「ちょっとだけ安心した」
「なにが？」
ぼんやりとした一静の言葉に聞き返すと、「すまん」と言ってから頭の中を整理し始めた。
「レギュラーに選ばれたこととか、Aが頼もしいこととか、そういうの全部引っ括めて、ちょっとだけ安心した」
「俺そんなに頼もしいか？」
「俺らは、バレーは巧いと思うし、弱くないと思う。実際毎回いいとこまで行くし。でも、それをちゃんと外から見て、認めてくれる人ってのがいるのは心強いもんなんだよ」
「まぁ、わからんでもない」
俺の手を包んでいる一静の熱とは別の暑さとか、付き合い始めた頃と比べたら少しずつ長くなった陽とか。些細な季節の変化から、大会の近さを実感する。
「俺は何度だって肯定するよ」
一静を見上げる。目が合うと、優しい目だ。
「俺は
「頼もしいな」
「だろ」
笑顔で言い切る俺の頭を一静は抱き込んだ。そのまま優しく撫でる。
「とりあえず合宿だな」
「そ、疲れんだよなぁ」
「料理の準備もあるもんな」
「有志来てくれるからまだマシ」
一静の家に着いてドアを開ける。
「ただいま」
「おかえりなさい。先お風呂入っちゃって」
いつも通り、優しい一静の母さんに安心する。玄関に立ったまま、一静はエナメルバッグをガサゴソと漁ってユニフォームを出した。
「あら、よかったわね」
「順当だよ。一静は巧いから」
「がんばるね」
三人で笑い合って、俺と一静は風呂へ向かった。
食事を済ませた。小腹が空いたな、と思っていると、一静にミックスナッツを差し出される。
「つまみかよ」
「未成年でーす」
「知ってる」
テレビをぼんやり見る。なんでもないバラエティ番組だ。少しくだらないな、と番組内容にケチを付けて目を逸らす。
「どした？」
「勉強しよ」
「Aは勉強が苦じゃないからすごいな」
「だってこれより面白い」
ソファーから立ち上がって一静の手を掴む。急かすように少し揺らす。
「ふふ」
「早く」
「あいよ」
立ち上がり俺の手を引いてリビングから出る。
なんの教科にしようか。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！及川も花巻も友達思いだと思うので、嫌がってる堂島を連れていった先輩に嫌悪感示しそうだなと、この展開にさせていただきまました！なかなか松川夢ってないので、自分のためにも頑張ります！笑ありがとうございます！ (2022年8月11日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 展開が！！最高すぎます！！松川だけじゃなく花巻達まで不快に思ってる感じ本当に最高です...たくさん更新してくださるのでとても助かってます、これからも頑張ってください！^_^ (2022年8月11日 3時) (レス) @page5 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年8月9日 11時
