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スピーカーにしていた受話口に怒鳴って、目の前にいる大嫌いな先輩に顔を向ける。
「そういうことだから、先輩がどんなに頑張っても、岩泉をどんなに唆しても、俺は誰にも靡きませんよ」
「まぁ、俺はもともとアンタに協力する気はねぇしな」
岩泉は俺の隣に来て肩を組む。
「確かに俺はこいつに惚れてるが、こいつが悲しんでるのが一番嫌いだ。だから、おい、松川。聞こえてんだろ」
《ん？なーに？》
「Aのこと泣かせたらタダじゃおかねぇからな」
電話の向こうで一静が笑った。声はどこか楽しそうで、心配する必要なんてなかった。
《当たり前だろ。まぁ、Aが嬉し泣きしちゃうかもだけど》
「それは許す」
「んじゃ、あとでな」
はいよ、と返事をして通話が切れた。二人で先輩に目を向ける。
「じゃ、金輪際こんな真似しないでくださいね」
失礼します、と一言告げて背を向ける。横目に見た岩泉はどこかすっきりとしていた。
「ごめんな」
「あ？Aはなんも悪くねぇだろ。気にすんな」
ニシシと笑った岩泉に笑い返して、二人で部室棟を通り過ぎる。
体育館に戻る途中で一静と花巻と合流した。
「災難だったな」
「ホント、早く帰ってラーメン行こうぜ」
「及川の奢りでな」
体育館では数名の1・2年と及川が自主練をしていた。
「おーい 、オーバーワーク野郎。そろそろ切り上げてストレッチしろよ」
「あ！やっと帰ってきた〜、もうマッキーもAちゃんも俺を置いてくなんてヒドイ！あのあと大変だったんだからね！」
「悪かったって。ほら、ストレッチしろよ。1・2年も、そろそろ上がれな」
及川が散らかしたボールを集めながら言えば、及川以外は片付けを始めた。
「おーい、いつまでやる気だよ」
「1本だけ！お願い、この動画と見比べて！」
「1本だけだぞ」
溜息を吐いて及川が差し出しているスマホを受け取る。映されていたのはブラジルで活躍しているニコラス・ロメロだった。
「おま、参考のハードル高ぇよ」
「だってそんくらいにはなりたいじゃん！！」
わかったって、と宥めながらロメロの動画を再生する。巻き戻し、また見る。
「ん、いいぞ。打ってみ」
「おっけー！」
ルーティーンから一気に集中し、顔を上げた。及川のスマホのメモを開いて、打ち込む準備をする。
サーブトスの高さ、位置、一連の流れの中で見付けられたロメロとの違いを打ち込む。
「どうだった？！」
スマホを及川に差し出す。画面を見て、目を輝かせた。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！及川も花巻も友達思いだと思うので、嫌がってる堂島を連れていった先輩に嫌悪感示しそうだなと、この展開にさせていただきまました！なかなか松川夢ってないので、自分のためにも頑張ります！笑ありがとうございます！ (2022年8月11日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 展開が！！最高すぎます！！松川だけじゃなく花巻達まで不快に思ってる感じ本当に最高です...たくさん更新してくださるのでとても助かってます、これからも頑張ってください！^_^ (2022年8月11日 3時) (レス) @page5 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年8月9日 11時
