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床に座ってスコアブックを広げる。バインダーをさらにその横に置くと、溝口さんが苦笑いした。
「どっちかにしたらどうだ？」
「え？……あぁ、そっか。そうですよね」
溝口さんは俺から控えにいる1年に視線を移して「おい」と声を掛ける。
「スコア記録してくれ。アイツほっとくとすぐ一人でやろうとするから」
「癖なんですよ」
「その癖早く直せ」
それぞれのコートにスターティングの六人が立った。
1年にスコアブックと鉛筆を手渡す。ビブスの番号を確認し、ルーズリーフを上下に分ける線を引いた。
集中するのに一度、目を閉じる。
ルーズリーフを指先で二度叩く。深呼吸をして、ホイッスルが鳴るのと同時に目を開ける。
「お願いシァース！」
大学生チームのサーブから始まった。
「及川ナイッサー！」
ローテは及川のサーブだ。
規則正しい、いつものルーティーンを、及川は進めていく。及川の身体に慣れたそれは、俺にとっても慣れていて、気持ちが昂る。
上げられたサーブトスを見て、思わず笑ってしまう。
「きれいだ。」
及川の打ったボールは床に叩きつけられた。
溢れた言葉が聞こえたのか、監督も表情を緩めたのがわかる。
何枚目か分からないルーズリーフを取り出して、さらに続きを書き込んでいく。
ガリガリと書いていると、ボールが床に落ちた。
ホイッスルが鳴る。タイムアウトらしい。こめかみを軽く揉んで、一静のタオルとスクイズ、ルーズリーフの束を手に立ち上がる。
「おつかれ」
「ん、サンキュー」
「どんな感じだ？」
岩泉は言いながら俺の手元に視線を落とす。自分の番号を見つけてそこを読んでいるのがわかった。
「みんな調子良いな。サーブも、今のところは他で点取れてるからもっと攻めていいと思う。」
「まぁ攻めサーブでミスっても誰も責めねーしな」
「そういうこと」
岩泉と一緒になって花巻もメモに目を落とす。
「お、俺褒められてんじゃん」
「花はいつでもレシーブ安定してるからな」
「俺は？」
一静も俺の肩にもたれながらメモを見ている。
「俺も褒められた」
「一静のことは当たり前に褒めるだろ」
「ヒイキだ！！」
「及川うるさい」
いきなり大声で叫ぶ及川に四人で文句を言う。よくある流れに笑えば、視線を感じた。それを追おうと横を向くが、掌で遮らる。
「ん？」
「わざわざ探すなって」
「あ、そういうことね」
耳元で囁かれ、頷いて俯く。小さな舌打ちが聞こえた。
「今の岩泉？」
「俺じゃねぇよ」
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！及川も花巻も友達思いだと思うので、嫌がってる堂島を連れていった先輩に嫌悪感示しそうだなと、この展開にさせていただきまました！なかなか松川夢ってないので、自分のためにも頑張ります！笑ありがとうございます！ (2022年8月11日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 展開が！！最高すぎます！！松川だけじゃなく花巻達まで不快に思ってる感じ本当に最高です...たくさん更新してくださるのでとても助かってます、これからも頑張ってください！^_^ (2022年8月11日 3時) (レス) @page5 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年8月9日 11時
