検索窓
今日:40 hit、昨日:10 hit、合計:90,962 hit

49 ページ50

違和感のあるその間を岩泉は何も言わず見ていた。

「Aから見て、1年の動きはどうだった?」

「やぱ段チでいいよ。国見は全力でやってなかったかな。あいつうまくサボってる」

「やっぱりか」

一人冷や汗を掻いてる金田一が面白いが、可哀想なのでちゃんとフォローする。

「金田一、そんな顔しなくていいぞ。無理矢理動かすとか、そういうのはうちのメンバーは好きじゃない。それに、」

使うのは及川だから、と言えば複雑そうな顔になった。

「そういや、及川からなんか連絡来たか?」

「いや、ケータイ見てねぇからわかんねぇな」

「あ、来てるよ」

松川が近くに置いていた俺のスマホを覗き込む。それに反応して手を伸ばすとスマホを手渡された。ロックを解除してメールを読む。

『捻挫は大したことなかったよ!練習は再来週の診察終わってからだけど、軽くなら大丈夫だってさ!』

「先生がAちゃんのこと褒めてたよ、って。それは遠回しに及川怒られてんじゃね?」

「そのまま送ったれ」

ニヤニヤしながら俺の肩に肘を乗せてメールを覗き見る松川と二人で笑う。松川の言う通りにそのまま返す。
送信したのを見た松川が俺の頭を雑に撫でた。

「汗でベタベタだからやめた方いいぞ」

髪を直しながら言うと「気にし過ぎ」と笑われた。

「俺らの方が汗だくだし。」

「それもそうな」

「今日はもう終わりだ」

岩泉の声で金田一と2・3年が部室に戻って行った。松川と岩泉がその場に残ったので聞くことにした。

「お前ら、なんかあった?」

「いや」

二人とも同じトーンで返してくるのでやめにした。

「俺らも戻るべ」

「だな」

平日ラストの部活を終え、明日に備えさせる。
松川と並んで帰り道を歩く。徐に松川が口を開いた。

「そういや今日金曜だったのな」

「うん」

「走ってよかったの?」

「明日サボる」

サボりに入んねー、と笑われた。

土日の部活は夕方まで。そのあとは出された課題を片付ける。いつものように過ごしているとあっという間に終わった。

週が明け、月曜はオフだ。
インターホンが鳴る。

「おはよ、松川」

「はよ。行くか」

「行ってきます」

二人でリビングに声を掛ける。返事は聞かずに家を出る。

「土日どっか行けばよかったな」

「だな。頭になかったわ」

通話アプリで課題をやりながら話していたが、どこかに出掛けるなんて発想はなかった。

「まぁ、落ち着いたら行こ」

「だな」

「よーっす」

花巻と合流して学校へ向かう。

この小説の続きへ→←48



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
157人がお気に入り
設定タグ:青葉城西 , 男主 , 松川一静
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シャバ僧(プロフ) - 優愛さん» ご要望ありがとうございます!負けず嫌いな男主なので、まだ未定ですが、一応別で男主受け松川夢ございます……よろしければ、どうぞ(宣伝) (2022年12月8日 23時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
優愛(プロフ) - 主人公は受けがいい!! (2022年12月8日 21時) (レス) @page35 id: 5e22586db0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シャバ僧 | 作成日時:2022年6月14日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。