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部室に着くと及川と岩泉がいた。
「おはよ、いつも早ぇな」
「おっはよー!Aちゃんはいつもバタバタだねぇ」
「おはよ」
ロッカーの前で急いで着替える。「早起きはしてんだよ」と言いながらシューズとカゴを持って部室を後にし、朝練の準備をした。
一通り終わったところで体育館に部員が入ってきた。朝練にまだ1年は参加しないのでいつもの顔ぶれだ。
「おはようございます!」
「おはよ」
体育館に入ってシューズを履く部員らを観察する。特に調子が悪そうな人はいない。
「Aちゃーん!マネ候補絞った?」
「あー、監督に相談しようと思ってる」
「なんで俺じゃないの?!」
「及川は顔で選びそう」
後ろから会話に入ってきた花巻が茶々を入れる。それに対して及川は「マッキーもでしょ?!」とキレていた。相変わらず面白い奴らだな、と思う。
「全員いるか」
出入り口の方から聞こえた入畑監督の声に体育館にいた全員が振り返る。
「おはようございます!!」
「おはよう。少し早いが再来週、練習試合を組もうと思っている。」
「また大学生ですか?」
話を近くで聞いていた岩泉が質問すると、入畑監督は緩く首を振った。
「今候補として上がっているのは烏野だ。それまでにメンバーを決めるから、今日の放課後は1年も入れたゲームを組みなさい。」
「はい!」
「以上」
そう言って立ち去ろうとする入畑監督に駆け寄る。
「監督、少しいいですか?」
「どうかしたか?」
「マネージャー志望の子たちについてなんですけど、決めかねていて。」
俺と俺の手元にあるバインダーを見る。何も言われていないがそれを手渡す。
「選手の方はこのまま分けるよう及川に伝えなさい。マネージャーは入れなくてもいいだろう」
「え、でも来年は俺いない」
「二軍の1年がローテーションでやればいい」
監督に言われてしまうと、もう無理に入れる必要がないと思える。
「わかりました」
バインダーに挟んだままだった名簿をファイルに入れ、サーブ練の感想を書かせたものはゴミ箱に入れた。
昼休みに1年の教室を回らなければ、と考えた。
「マネ、どうなった?」
「あー、入れなくていいってさ。」
「そうなるわな」
松川が笑いながら隣に立った。俺だけが新マネに期待していたようだ。
「松川も入れないの賛成なのな」
「まぁね。渡とかも半端なヤツならいらないって言ってたぞ」
「意外と辛辣だよな」
笑いながらバインダーで顔を仰いだ。
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シャバ僧(プロフ) - 優愛さん» ご要望ありがとうございます!負けず嫌いな男主なので、まだ未定ですが、一応別で男主受け松川夢ございます……よろしければ、どうぞ(宣伝) (2022年12月8日 23時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
優愛(プロフ) - 主人公は受けがいい!! (2022年12月8日 21時) (レス) @page35 id: 5e22586db0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャバ僧 | 作成日時:2022年6月14日 0時