my self . Ⅰ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ27)

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「2人とも、沢山の手紙が来ているわよ」

日が上りきった朝、キッチンの方から母にそう声をかけられる。そこに向かうと、机に山盛りの手紙があった。

セドリック宛てと私宛ての手紙が混じっているので、朝食を待つ間2人でせっせと分ける作業をした。

『…セドリック、女の子からの手紙が多いけど何か悪いことでもしたの？』

私がセドリックにそのうちの一つの手紙を見せながら言うと、セドリックは両眉を下げて苦笑いをした。

「毎年沢山貰ってうれしいけど、初めての人だと返事が書きずらくて困るんだよ」

もらったものだから返さないとね、と言う。初対面の人に手紙を貰って返事を書くなんて、私だったら絶対できない。内容に困るもの…

『これ全部の人に返してフクロウが倒れないといいけど』

私がそう言うと、セドリックはあー…といい言葉を続ける。

「お陰様でフクロウはすっかりムキムキさ」

そう言って向こうの部屋を指さした。目を凝らしてみると、カゴの中に入ったムキムキのフクロウが居た。

それを見て思わずわお…と呟く。

そんなこんなで手紙を分け終え、母の呼び掛けで朝食を食べに行った。

＿＿＿＿

夜、自分の部屋で手紙を読んでいた。
ハーマイオニーの手紙ももちろんあって、その手紙は後で読む事にした。

すると、手紙の山の中に一際目立つ見覚えのある封筒がちらっと見えたので手に取り宛名を見た。

『ドラコ？』

ドラコも手紙を送ってくれてうれしいと思いながら手紙を開くと、この間より少し綺麗になった字が並んでいた。

「親愛なるA

今週の水曜、教科書を買いにダイアゴン横丁へ行く。
父上が君を誘うとといいと言ったが予定は合うか？

急に持ちかけてすまない。

ドラコ」

相変わらず、手紙の質感に似合わない文の少なさに戸惑うがドラコらしい部分ということで解決しておいた。

一緒に行く予定だった父とセドリックにきくと、丁度その日にセドリックの練習が入ってしまったらしく容易く承諾してくれた。

机に向かって便箋の山を横にして返事を書く。
まずはドラコに書き、他は兄のセドリックに習い全部返事を書くことにした。

カゴにいるフクロウがそれを見て恐怖するような瞳をしたがこれに至ってはしょうがないの。ムキムキになるのは少し抵抗感があるけどね…

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