牡丹が落ちる時【mfsk】

牡丹4 ページ4

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長襦袢(ながじゅばん)を脱いでスーツに着替え、愛用のS&W500を2丁ショルダーホルスターにしまい、髪を結ぶ。

「すみません、終わりました」

準備に時間がかかってしまい若様を待たせてしまった。

「戦闘中だったら死んでるよ。準備は手短に早くっていつも言ってるでしょ」

キッ、と柱に寄りかかっている若様が私を睨みつける。

「気をつけます」

薄く笑みを零すと彼はため息をついた。

「早く行くよ。」

前を歩く大きな背中は貫禄があってなぜかすごく遠くにあるように感じた。

「…はい」

いつからこんなに遠くなってしまったのだろうか。

***

「今回はかんたんな仕事だし僕とAしかいないんだから油断しないでよ」

若様が表にでたらそらるさんに怒られてしまう…。

けど、この人私の言う事聞かないんだよな…。

「ちょっと、ボケボケ歩かないでよ」

集中してよね、と短く舌打ちした若様はビルの裏側に回って日本刀に手をかける。

扉の前には一人の青年が立っていた。

…なにしてるんだろう。

赤い髪にマンガやアニメにありそうな探偵服をきている青年。

少なくとも見張りではなさそうだ。

「なにしてる」

スッ、と刀を抜いた若様は青年の首元に刃を近づけた。

「…あんたらマフィアか？」

…え、なんでわかったの…？

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