世界で一番【あほの坂田】

世界で29 ページ32

A サイド

『ゔぅ、、、』

目を覚ますと志麻が私の手に手を添えて寝ていた。

看病、してくれてたのだろうか。

今は何時?あれから何日立ってる?

坂田は?

し「ん、A、？」

目を覚ました志麻は私を見て起き上がった。

し「よかった、熱下がったんやね」

ねぇ、と口を開きかけてきゅっとつむった。

聞いてもいいのだろうか。

志麻はおこってた。

し「、、、聞かんの？」

俯いている私に志麻はそう言った。

『、、、聞いたら怒るかなって』

少しだけ志麻の瞳が揺れた。

し「怒らんよ」

そして、微笑んだ。

し「Aが坂田さんのことであんなに必死になったの初めて見た」

突然、懐かしむように言った志麻。

し「過去に何回か坂田さん攫われたことあったけどA顔色ひとつ使えずに助けに行ってたから」

それは、相手が弱くてすぐに助けられると思ったから、

し「初めてAを見たときに俺にはないもの持ってんなぁって思ったわ」

その言葉を聞いたとき私はすごく驚いた。

し「ふっwめっちゃ驚くやんw」

『だ、だって、』

私からみたら志麻のほうが私にないものを待っていると思ってたから。

し「俺はセンラさんが攫われたら焦って何にも考えられなくなるし、

Aみたいに器用じゃないし努力家でもない

それにみんな俺を訝しげにみて話しかけてくれんかったのに

Aはふつうに話しかけてくるしw」


くくくっ、とおかしそうに笑う志麻はとても楽しそうだった。

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